全1097文字
PR

 宿舎を除く自衛隊施設2万3254棟のうち、4割を超える9875棟が旧耐震基準の建物だと分かった。2020年度末時点の国有財産データを基に防衛省が整理した。同省は阪神大震災を契機として、1995年度に耐震化対策事業に着手した。予算が付いた施設から順次、耐震改修を進めてはいるが、進捗は芳しくない。

 同省は耐震改修促進法に基づき、不特定多数が利用する3階建て以上かつ1000m2以上の隊舎・庁舎など1282棟を、優先的に耐震改修する施設と位置付けている。

 耐震診断の結果、このうち790棟については必要な性能を満たしていることが判明。2022年4月時点で耐震性能に問題があった施設のうち69棟の建て替えと27棟の取り壊し、339棟の耐震改修が完了している。未対応の施設は57棟だ。このように、隊舎や庁舎などの手当ては一定程度進んだが、他の施設についてはほとんど手を付けていない。

佐賀県にある築68年の陸上自衛隊目達原駐屯地庁舎。床や壁のコンクリートの劣化が目立つ(写真:防衛省)
佐賀県にある築68年の陸上自衛隊目達原駐屯地庁舎。床や壁のコンクリートの劣化が目立つ(写真:防衛省)
[画像のクリックで拡大表示]

 耐震化に加え、老朽化対策も悩みのタネになっている。旧耐震基準の9875棟のうち約8割は耐用年数を超えており、戦前の建物も589棟あるほどだ。隊舎や庁舎以外に管制塔や火薬庫といった防衛機能に関わる施設も多く含まれている。最も多いのは補給施設。多くの建物で、経年劣化による雨漏りや内装材の劣化、外壁の破損や基礎のひび割れなどが目立つ。修理不能で閉鎖されている建物もあり、早急な対策が求められる。