設計事務所や住宅会社の主戦場である戸建ての注文住宅に、逆風が吹き荒れている。国土交通省が2022年8月31日に発表した22年7月の新設住宅着工戸数で、持ち家(注文住宅)は前年同月比14.1%減の2万2406戸だった。前年同月実績を下回るのは、8カ月連続だ。
一方、戸建ての分譲住宅は同1.8%増の1万2461戸で、15カ月連続の増加と好調が続いている。なぜ両者の明暗はこれほどまでに大きく分かれたのか。最近の「注文住宅離れ」に大きな影響を与えているとみられるのが、資材高騰による住宅価格の上昇だ。
21年前半に顕在化したウッドショックや、22年2月以降のウクライナ危機などの影響で、木材や鋼材、内装材から住設機器に至るまで、あらゆる資材の価格が高騰。住宅価格への転嫁が進んでいる。例えば、21年に戸建て住宅の値上げを実施した大和ハウス工業は、再度の値上げを検討している。
国交省の調査結果も、住宅の価格上昇を裏付けている。同省によると、21年1月に2298万円だった持ち家1戸当たりの工事費予定額は22年7月時点で2405万円となり、107万円も上昇した。