宮城県南三陸町で、隈研吾氏が設計した「南三陸311メモリアル」が、2022年10月1日にオープンする。本施設は東日本大震災の伝承館で、市街地のにぎわいづくりの重要拠点として町が整備する道の駅「さんさん南三陸」の一部に当たる。南三陸町中心街の拠点整備事業は、この伝承館の竣工をもって復興の集大成を迎える。
道の駅は同じく隈氏の設計で17年3月完成の「南三陸さんさん商店街」、BRT(バス高速輸送システム)のJR志津川駅などと一体的にデザインした。新たな観光・交流の拠点となることを目指す。
隈氏は13年に南三陸町に招かれ、以来約9年間にわたって同町の復興事業に伴走してきた。志津川地区のグランドデザインからスタートし、商店街や「中橋」(20年10月開通)、道の駅の設計までを一貫して担当してきた。
隈氏は、「建物単発ではなくトータルでデザインさせてもらえたことは貴重な経験だった。マスタープランで描いた哲学を、それぞれの建物のディテールに反映できるメリットがあった」と語る。