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 YKKAPは2022年10月3日、大開口かつ高断熱の窓を発売する。障子は樹脂で、枠はアルミ樹脂複合という、これまでにない組み合わせだ。最大サイズは幅約3.5m、高さ約2.4mを確保できる。同社はこのサッシを「ハイブリッドスライディング」と名付けた。9月7日に開いた商品発表会で堀秀光代表取締役社長は「樹脂窓でもアルミ樹脂複合窓でもない」と説明した。

「ハイブリッドスライディング」の断面。図の左側が屋外、右側が室内(出所:YKKAP)
「ハイブリッドスライディング」の断面。図の左側が屋外、右側が室内(出所:YKKAP)
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最大サイズを比較する。左奥が新商品のハイブリッドスライディング。サイズは幅約3.5m、高さ約2.4m。説明者の右側が同社の樹脂窓引き違いテラス戸。サイズは幅約2.6m、高さ約2.2m(写真:日経クロステック)
最大サイズを比較する。左奥が新商品のハイブリッドスライディング。サイズは幅約3.5m、高さ約2.4m。説明者の右側が同社の樹脂窓引き違いテラス戸。サイズは幅約2.6m、高さ約2.2m(写真:日経クロステック)
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 YKKAPが大開口に対応する窓を開発した背景には、戸建て住宅での大開口ニーズの高まりがある。同社によると、高さ約2.4mや約3.5mといった大開口を確保できる引き違い窓の2021年における出荷実績は、それぞれ2020年の約2倍に増えたという。

 樹脂窓は特に高い断熱性を確保でき、気密性が高く結露しにくいなどの優位性がある。しかし、窓自体の重量が重い、価格が高い、大開口に対応しにくいといった課題がある。工場で溶着して完成品を現場に運搬するため、運搬コストが高くなり、荷下ろしや搬入の手間がかかるからだ。

 そこでYKKAPは枠をアルミと樹脂の複合とし、部材を現場で組み立てるノックダウン方式をハイブリッドスライディングに採用。強度と一定の断熱性を確保しながら、大開口窓に対応しやすくした。

樹脂窓の樹脂枠は工場で組み立て現場に搬入する。ハイブリッドスライディングの複合枠は現場で組み立てる(出所:YKKAP)
樹脂窓の樹脂枠は工場で組み立て現場に搬入する。ハイブリッドスライディングの複合枠は現場で組み立てる(出所:YKKAP)
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屋外側から見たサッシ枠。左が従来の樹脂窓で幅49mm、右がハイブリッドスライディングで幅15mm。比較すると細いのが分かる(写真:日経クロステック)
屋外側から見たサッシ枠。左が従来の樹脂窓で幅49mm、右がハイブリッドスライディングで幅15mm。比較すると細いのが分かる(写真:日経クロステック)
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