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 「企業、行政、市民、公共サービス、公共基盤などのプレーヤーをつなぐ、『社会環境デザインプラットフォーム』へと進化していく」。このような目標を掲げる日建設計が、その実現に向けて活発な動きを見せている。

 日建設計は2022年9月9日、ハチハチ(東京・渋谷)とロフトワーク(東京・渋谷)と共に、合弁会社Q0(キューゼロ、東京・千代田)を設立した。地方を拠点に、地元企業などと協力しながら実験的なプロジェクトを企画・実装し、地方と都市の新たな関係性をつくる。社長にはハチハチ代表取締役の林千晶氏が就任した。資本金は4500万円。3社が1500万円ずつ出資した。当初は6人体制で事業を展開する。

左から日建設計の奥森清喜取締役、ハチハチの林千晶代表取締役、日建設計の大松敦社長、ロフトワークの諏訪光洋社長。Q0はこの4人に日建設計の社員2人を加えた計6人体制で始動した(写真:日経クロステック)
左から日建設計の奥森清喜取締役、ハチハチの林千晶代表取締役、日建設計の大松敦社長、ロフトワークの諏訪光洋社長。Q0はこの4人に日建設計の社員2人を加えた計6人体制で始動した(写真:日経クロステック)
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 社名は「Question(問い)」と「ゼロエネルギー化」の頭文字に由来する。林社長はこう話す。「自ら各地に足を運び、その地域が挑戦していることや抱えている悩みなどに耳を傾け、問いかけ、対話する。持続可能な未来を目指して、“継承される地域”をデザインしたい」

 Q0の事業内容は主に2つだ。

 1つ目は上述の通り、地方を拠点に、その地域が抱える課題の解決につながるプロジェクトの企画・実装や運営をサポートすること。まずは秋田県と富山県でそれぞれ2カ所、計4カ所でプロジェクトを進める。例えば秋田県にかほ市では、経産牛を飼育する畜産農家と共に、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の構築を考える事業を展開する予定だ。

 もう1つは都市部を拠点とし、地方でのプロジェクトを束ねて、ウェブやイベントなどで情報発信をすること。「幅広いメンバーを仲間に引き入れ、地方でのプロジェクトの知見を共有・蓄積していきたい」(林社長)

Q0の林千晶社長は設立会見で、「都心から離れた地方にフォーカスすることで、新しいビジネスが生まれる」と語った(写真:日経クロステック)
Q0の林千晶社長は設立会見で、「都心から離れた地方にフォーカスすることで、新しいビジネスが生まれる」と語った(写真:日経クロステック)
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