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 清水建設は2022年9月27日、岡山大学津島キャンパスにおいて建設を進める「岡山大学共育共創コモンズ」で、CLT(直交集成板)大梁(おおばり)の架設作業を公開した。建物は木造校舎で、CLTパネル工法では国内最大級となる18mスパンの大空間を特徴としている。竣工は22年12月の予定だ。

長さ約22mのCLT大梁を架設する様子(写真:日経クロステック)
長さ約22mのCLT大梁を架設する様子(写真:日経クロステック)
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 共育共創コモンズは木造、地上2階建て、延べ面積は約820m2。1階には企業との共同研究室などを設け、産学連携を推進する。2階には300人を収容できる講義室を計画。2階の床スラブ以外の主要構造部は、全て岡山県で製造・加工したCLTだ。壁や天井の内装は原則CLTの現し仕上げ。建物全体の木材使用量は仕上げを含めて約510m3で、そのうちCLTが約450m3を占める。

 基本計画と、設計・施工の監修は岡山大学の隈研吾特別招へい教授が担当した。基本計画案のポイントは、CLTパネル工法による大空間の実現と、外壁のCLTパネルを上下階で千鳥状に配置する外観デザインだった。清水建設は21年6月に入札へ応募し、同年8月ごろから設計・施工を担当。基本計画案の実現に向けて、設計と技術開発を進めた。

CLT壁パネルを、上下階で千鳥状に配置した外観デザイン(写真:日経クロステック)
CLT壁パネルを、上下階で千鳥状に配置した外観デザイン(写真:日経クロステック)
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 同施設のコンセプトは、「地域の産業活性化のための新たな交流と共創の場」を創出すること。清水建設設計本部木質建築推進部の長澤怜設計長は、「岡山県は国内最大のCLT生産能力を持っている。産学連携を目指したこの施設が、地元産業を体感する生きた教材となってほしい」と話す。