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 ヤマハ発動機とカプセルホテルを運営するナインアワーズ(東京・千代田)は2022年9月21日、新型FRP(繊維強化プラスチック)製カプセル「9h sleep dock」を共同開発したと発表した。18年に都内で竣工したホテル「ナインアワーズ大手町」に8床を納入済みだ。

カプセルホテル「ナインアワーズ大手町」で、新型カプセルに取り付けた遮音ハッチを開閉している様子(写真:Nacasa & Partners)
カプセルホテル「ナインアワーズ大手町」で、新型カプセルに取り付けた遮音ハッチを開閉している様子(写真:Nacasa & Partners)
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 ナインアワーズ大手町は、平田晃久建築設計事務所(東京・港)が設計を手掛けたカプセルホテルである。開業から約4年がたち、カプセルを刷新することにした。さらにナインアワーズは今後、新店舗を中心に新型カプセルを導入していく方針である。

 新型カプセルの特徴は、出入り口に新設計の遮音ハッチを採用し、防音性能を高めたことだ。従来のロールアップカーテン式の出入り口では、カーテンの隙間から音が漏れ、他の宿泊者の睡眠を妨げることがあった。そこでヤマハ発動機は上開きのハッチを開発し、カプセルの出入り口の密閉性を高めた。ヤマハ発動機は遮音ハッチの特許を出願している。

 クッション性の素材でできた遮音ハッチ自体の防音性能も高い。ナインアワーズの実験では、2m先から生じる65dBの音がハッチに当たると、その先では音が42dBに低下する。遮蔽物がない場合は55dBの音が伝わったので、差分13dBの防音効果を観測できた。通常の話し声がささやき声に聞こえるくらいの減少イメージだ。

新開発したFRP(繊維強化プラスチック)製カプセル「9h sleep dock」。写真は3Dプリンターで製作したモックアップ。実物の外形サイズは約1.2m×約1.2m×約2.3m(写真:ヤマハ発動機)
新開発したFRP(繊維強化プラスチック)製カプセル「9h sleep dock」。写真は3Dプリンターで製作したモックアップ。実物の外形サイズは約1.2m×約1.2m×約2.3m(写真:ヤマハ発動機)
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