不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」を運営するLIFULL(ライフル)は2022年10月12日、空き家になっている古い別荘を改修し、貸別荘として運用する実証実験を開始したと発表した。第1弾として栃木県那須町エリアで、プライベートサウナ付きの貸別荘「rinne(リンネ)」の提供を同年10月25日から開始した。
rinneは平屋建てで、広さは約91m2。宿泊定員は5人だ。LIFULLが空き家の古い別荘を購入し、a-tech(エーテック、東京・目黒)にリノベーションを依頼した。さらに建設系スタートアップ企業のVUILD(ヴィルド、川崎市)とLIFULLが共同でサウナを開発し、設置した。サウナは既存の別荘にウッドデッキを増床し、その上に設けた。貸別荘の運営は、藤和那須リゾート(栃木県那須町)が手掛ける。
サウナの特徴は3つある。高い断熱性能および施工しやすい組み立てユニット化、内外装材に採用した栃木県産のスギ材、VUILDのデジタル木材加工技術による複雑な曲線形状の小屋、である。
木材加工には、VUILDが輸入代理販売する3D加工機「ShopBot(ショップボット)」を利用する。サウナは天井を湾曲した断面形状にすることで、室内に温度差を生み出す。サウナ初心者は低い温度の場所で楽しめるように工夫している。
VUILD EMARF事業部の黒部駿人氏は、「rinneは山奥の傾斜地に立っているので移動が簡単ではなく、建材の搬入方法にも気を使った」と明かす。ワゴン車に積み込み可能で、ユニット1つひとつは1人で運べる大きさにした。サウナの建築工事は、3日で完了する。
サウナは個別販売も検討しており、価格はストーブ込みで300万円程度を想定しているという。