全1345文字
PR

 大規模な鉄骨鉄筋コンクリート造の構造物を、現場で印刷する――。清水建設は、建設現場で構造物を印刷できる門形の建設3Dプリンターを開発した。建設中の自社施設「(仮称)潮見イノベーションセンター」(東京・江東)の現場にプリンターを持ち込み、建物の柱をつくるための埋設型枠を印刷した。2022年9月30日に発表した。

門形の建設3Dプリンターで埋設型枠を印刷している様子。青い門形フレームがレール上を移動しながら材料を積層していく(写真:清水建設)
門形の建設3Dプリンターで埋設型枠を印刷している様子。青い門形フレームがレール上を移動しながら材料を積層していく(写真:清水建設)
[画像のクリックで拡大表示]

 開発した3Dプリンターの名称は「Shimz Robo-Printer」。幅7.2m、高さ7.5mの門形フレームが、長さ25mのレール上を水平移動する。門形フレームに沿って動くノズルから専用のモルタル材料を吐出し、毎秒10cmのスピードで積層していく。造形可能な範囲は長さ20m、幅4.5m、高さ5.1mだ。

 ロボットアーム型のプリンターで鉄筋コンクリート造の構造物をつくろうとすると、前もって組み立てた鉄筋の周りに型枠を印刷する動作が課題となる。可動範囲が限られるからだ。そこで、規模の大きい門形プリンターを開発した。材料を吐出するノズルをクランク形状にして、現場で先に組み立てた鉄筋や鉄骨などの部材と接触させない工夫も凝らした。

 開発した門形プリンターを用いて清水建設が印刷したのは、長さ20m、高さ4.5m、厚さ80mmの埋設型枠だ。内部にコンクリートを流し込み、そのまま建物の柱の外装とする。まずは所定の位置に鉄筋や鉄骨を組み立て、周囲に型枠を印刷した。印刷時間は、型枠内へのコンクリート打設も含めて、延べ75時間ほど。コンクリートが型枠に及ぼす側圧を低減するため、モルタルが1m積み上がったらコンクリートを打設するプロセスを繰り返した。