静岡県裾野市の市民文化センターで、大ホール舞台の天井にあるスプリンクラーが突然作動し、反響板や舞台装置、グランドピアノ、オーケストラの楽器などが被水した事故から約1カ月。市は2022年10月27日に会見を開き、原因究明に向けて事故調査委員会を設置すると発表した。オーケストラへの補償や警察への被害届の提出などは、原因の判明後に検討する。
事故が起こったのは22年9月24日午後1時ごろ。大ホールの舞台上にあるスプリンクラーが突然作動し、ステージと舞台袖に水が降り注いだ。午後2時に自主文化公演「オーケストラを聴こう!」の開演を予定していたため、室内オーケストラ「シンフォニエッタ静岡」の機材にも水がかかった。また、演奏者5人が転倒してけがを負った。施設復旧のめどは立っていない。
事故を巡っては、シンフォニエッタ静岡が10月13日に会見を開き、事故後の市の対応が不十分だと批判している。
こうした事態を受け、市が10月27日に開いた臨時会見で村田悠市長は、事故後は指定管理者のケイミックスパブリックビジネス(東京・千代田)が調査を実施してきたと述べたうえで、原因究明に向けて市として事故調査委員会を設置すると表明した。消火設備に詳しい工学系の専門家など外部の有識者5人程度を招く予定だ。シンフォニエッタ静岡への補償や警察への被害届の提出などは、スプリンクラー誤作動の原因が判明してから検討する。
裾野市民文化センターは、1991年9月30日に竣工した鉄骨鉄筋コンクリート造の建物だ。延べ面積は8749m2で、地下1階・地上3階(一部4階)建て。1205席の大ホールと、可動席344席の多目的ホールなどを擁する。市は22年11月から23年7月まで特定天井の落下防止工事を予定していたが、事故を受けて延期した。