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 建築のプロジェクトマネジメント(PM)などを手掛ける山下PMC(東京・中央)は、心身の健康に着目した新たな住宅向け認証制度を開発し、提供を開始したと2022年10月28日に発表した。科学的なエビデンスに基づいて設定した評価項目で住環境をチェックし、住人の心身の健康に寄与するかどうか評価する。まずはデベロッパーが手掛ける集合住宅をターゲットに普及を進める。

「健康住宅Lively7認証」の認証マークと評価する領域を示すダイヤグラム。7領域30項目について評価する。合計点と、基準点未満の領域の数で総合的に判断し、認証する(出所:山下PMC)
「健康住宅Lively7認証」の認証マークと評価する領域を示すダイヤグラム。7領域30項目について評価する。合計点と、基準点未満の領域の数で総合的に判断し、認証する(出所:山下PMC)
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 同社が開発した「健康住宅Lively7認証」は、「感覚」「運動」「認知」「生体恒常性・代謝」「活力」「心の健康」「衛生」の7領域、計30項目で住環境をチェックし、プラチナ、ゴールド、シルバーの3段階で評価する。シルバーの取得には7領域、計30項目のうち50%程度をクリアする必要がある。認証に必要なコストは1戸あたり数万円だ。日本疲労学会で理事長を務める理化学研究所生命機能科学研究センターの渡辺恭良チームリーダーを中心に、医学や建築の専門家による委員会が作成した。

 例えば「感覚」の領域では、住人の健康に望ましいと考えられる情報を、屋内にどう取り込んでいるかチェックする。全ての居室から樹木や空などの景色を眺められるようになっていれば、「四季の変化を感じられる眺望がある」などと評価するイメージだ。設備の有無や建材の仕様といった具体例も示した。リストにない新しい取り組みは、委員会で協議する。

認証プログラムの表紙。内容を閲覧するには健康住宅Lively7認証のウェブサイトから申し込む必要がある(出所:山下PMC)
認証プログラムの表紙。内容を閲覧するには健康住宅Lively7認証のウェブサイトから申し込む必要がある(出所:山下PMC)
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 山下PMCは専門家による委員会と共に、約1年10カ月をかけて認証制度の開発に取り組んだ。同社の事業統括本部知財・広報部広報部門の能登誉主管は「簡単に取得できる認証制度では意味がない。現行法を守るだけでは加点されない仕組みにした。評価項目は社会の変化に合わせてアップデートしていく」と説明する。