鹿島は国内の富裕層や海外投資家などを対象にした、高級不動産開発を強化する。同事業に特化した100%子会社「イートン リアルエステート」(東京・千代田)を2022年8月に設立したことを、同年11月1日に発表した。同時に、東京・銀座の高級物件を2件取得したことも明らかにした。
日本の高級不動産への需要の高まりを新たな事業機会と捉え、鹿島はビジネス領域を拡大する。国内外で多数の高級不動産を開発・運営してきた経験を持つ、グローバルな人材10人で新会社をスタートした。主な事業は高級不動産の売買および賃貸借と、それらの代理または仲介だ。
イートン リアルエステートの設立に合わせて、鹿島は英国の不動産会社であるグロブナー(Grosvenor)の日本支店から、東京・銀座にあるビル2件を合計約190億円で取得した。「並木館銀座」と建設中の「CURA GINZA(CURA銀座)」である。
高級店が立ち並ぶ銀座に施設を所有し、ブランドショップの誘致など賃貸事業を推進する。22年度中には、高級賃貸レジデンスの取得も予定しているという。
並木館銀座は東京都中央区銀座3丁目にある商業施設だ。地下3階・地上10階建てで、延べ面積は7060m2。08年1月に竣工している。
一方、CURA銀座は同区銀座5丁目に現在建設中の複合施設である。オフィスと店舗が入る。地下1階・地上13階建てで、延べ面積は5500m2を計画している。23年1月に竣工予定だ。