国土交通省は、鉄筋コンクリート(RC)造の柱にCLT(直交集成板)パネルの袖壁を設けた中規模庁舎の設計例を示した。日本建築センター(東京・千代田)から構造評定を取得し、構造安全性を確認済みだ。2022年10月20日に発表した。
試設計を担当した国交省大臣官房官庁営繕部整備課木材利用推進室の山下雅文課長補佐は、「CLTの袖壁は主要構造部とせずに現しとし、木を見せる混構造の庁舎として試設計した」と説明する。
設計例では、地上4階建て、延べ約3000m2の中規模庁舎を想定した。構造は主な柱のスパンが6m×8mのRCラーメン構造。RCの柱には、国土技術政策総合研究所(国総研、茨城県つくば市)が開発したCLTパネルの袖壁を耐力壁として設ける。パネルの厚さは21cm。使用する樹種はヒノキ材だ。ヒノキの使用量は計約97m3。炭素貯蔵量は二酸化炭素(CO2)換算で約68トンを見込む。