三菱地所は2022年11月25日、オーストラリアのシドニー市内で最高の高さとなるオフィスビルの竣工を発表した。名称は「180 ジョージストリート(George Street)」で、高さは約263mだ。大部分の階で内装工事が継続中で、終わり次第テナントの入居が進む予定だ。
三菱地所は2016年から、シドニーCBD(中心業務地区)の北端部にあるサーキュラー・キーと呼ぶ埠頭を含むエリアで敷地面積約4600m2の大規模開発事業に着手している。事業の名称は「シドニープレース(Sydney Place)」だ。現地に本社を置く不動産・建設会社のレンドリース(Lendlease)と、中国の平安不動産と共同で、オフィス、観光、文化施設など複合的な開発を進めている。
180ジョージストリートは、上述した開発エリアのシンボルとして18年に着工した。構造は鉄骨造。地上55階建てで、延べ面積約6万730m2のオフィスビルだ。英フォスター・アンド・パートナーズ(Foster + Partners)がオフィス空間の意匠設計を担当し、実施設計および施工はレンドリースが担当した。
11月24日には現地で竣工式を開き、三菱地所からは吉田淳一執行役社長、四塚雄太郎執行役常務、三菱地所アジア社から西山雄三オーストラリア支店長らが参加した。
オフィスとしての貸床面積は約5万5000m2で、基準階の床面積は1100m2ほど。クラウド型ソフトウエアの提供で業界トップクラスのセールスフォース・ドットコムや、不動産仲介業で世界的企業のジョーンズ・ラング・ラサールなどが入居予定だ。竣工時点での入居率は80%ほど。三菱地所の広報部は、「海外のオフィスビルでは、竣工後に内覧して入居を決めるケースが多いので、現時点での高い入居率に驚いている」と話す。