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 東京都目黒区の商業施設「Craft Village NISHIKOYAMA(クラフトビレッジ西小山)」の建設中に、設計者による確認済み証の偽造が発覚した事件。東京地方裁判所が2022年11月、公電磁的記録不正作出・同供用と偽計業務妨害の罪で、設計者に対して懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を下したことが日経クロステックの取材で分かった。検察、被告とも控訴せず判決が確定した。

東京地方裁判所は、確認済み証を偽造したアーキメタルドットジェーピーの大屋代表に、懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を下した(出所:ピーエイ)
東京地方裁判所は、確認済み証を偽造したアーキメタルドットジェーピーの大屋代表に、懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を下した(出所:ピーエイ)
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 クラフトビレッジ西小山は、街づくり事業などを手掛けるピーエイ(福島県楢葉町)が都市再生機構(UR)から土地を借り受けて建設・運営を担う、20年11月開業の施設だ。コンテナを利用した建物とオープンテラスなどが特徴で、商業棟と事務所棟から成る。

 計画当初、同施設は19年7月に開業予定だったが、同年6月に確認済み証の偽造が発覚し、特定行政庁の目黒区がピーエイに対して是正を指示。ピーエイは完成間近だった商業棟を一旦撤去し、設計・施工を一からやり直す事態に陥った。

解体前の商業棟。2019年7月撮影(写真:日経クロステック)
解体前の商業棟。2019年7月撮影(写真:日経クロステック)
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確認済み証偽造の発覚後に設計・施工をやり直して完成した商業棟(写真:日経クロステック)
確認済み証偽造の発覚後に設計・施工をやり直して完成した商業棟(写真:日経クロステック)
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 確認済み証を偽造したのは、意匠設計などを担当したarchimetal.jp(アーキメタルドットジェーピー、東京・渋谷)の大屋和彦代表だ。大屋代表は事務所棟の確認済み証をスキャンし、確認番号や日付などをデザインソフト「イラストレーター」で改ざん。偽造した確認済み証をピーエイに提出していた。ピーエイは偽造された確認済み証と気付かずに、建設会社に工事を発注した。

 偽造の発覚後、ピーエイは大屋代表を刑事告訴。検察は懲役1年6月を求刑した。ピーエイの加藤博敏代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)は判決について、「『初犯である』『反省している』といった理由で執行猶予がついた。しかし、大屋氏は別会社で何事もなかったように業務を続けている。反省しているようには見えない」と怒りをあらわにした。