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 建築工事の設計・施工を手掛けるライフデザイン・カバヤ(岡山市)は、CLT(直交集成板)に塗装する難燃塗料「なんねんCLTコート」を開発したと2022年12月9日に発表した。着火した際、表面に塗装したなんねんCLTコートが燃えて膨らむことで膜をつくり、CLTの燃焼を抑制する。透明に仕上がるのでCLTを現し仕上げにできる。準不燃材料としての国土交通大臣認定を22年11月に取得済みだ。

なんねんCLTコートを塗装したCLT(左)と塗装なしのCLT(右)。左の方が燃焼範囲は小さい。なんねんCLTコートは熱を受けると凸を形成することで、燃え広がりを防ぐ(写真:ライフデザイン・カバヤ)
なんねんCLTコートを塗装したCLT(左)と塗装なしのCLT(右)。左の方が燃焼範囲は小さい。なんねんCLTコートは熱を受けると凸を形成することで、燃え広がりを防ぐ(写真:ライフデザイン・カバヤ)
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 建築基準法には、火災時に内装材の燃え広がりを防ぐため、「内装制限」のかかる壁と天井を準不燃材料や難燃材料で仕上げるよう求める規定がある。CLTを現しにできる防火構造や準耐火構造の仕様を採用していても、内装制限のかかる壁と天井は木の現しにできない。

 内装制限は多くの建築物にかかっており、住宅でもキッチンなど火気使用室は対象箇所になる。こうした課題を解決したのが、なんねんCLTコートだ。塗装すれば内装制限のかかる壁と天井の両方を、木の現しにできる。