自然災害に対する不動産の耐性を可視化する認証制度が国内で初めて誕生した。不動産関連企業など7者による「不動産分野におけるレジリエンス検討委員会(D-ismプロジェクト)」は2023年1月17日、新たな認証制度「ResReal(レジリアル)」を創設し、1月27日からサービスを開始した。土地と建物の自然災害に対するレジリエンス(弾性力・回復力)を総合的に評価して点数化し、5段階で認証する。
レジリアルの認証ランクは、最も高いプラチナからスタンダードまで5段階ある。評価メニューは「水害(外水・内水)」「高潮」「地震・津波」「土砂災害」「噴火」「猛暑」の6つ。まずは、既存建築物を対象にした水害版から運用を開始する。23年中には、新築建築物の認証にも対応する予定だ。
レジリアルの最大の特徴は、土地条件だけでなく建物の設計や設備、運用面の対策などを含めてスコアリングする点。D-ismプロジェクトによると、建物性能や運用に至るまで体系的に評価する仕組みは海外にも例がない。
サービスの大まかな流れはこうだ。依頼者はまず、物件の立地や敷地形状、地盤高さなどの情報を認証機関に提出する。これを基に示される「水害リスクレポート」を確認し、様式に沿ってスコアリングシートに回答。質疑応答を経て、認証書・評価リポート・認証ラベルの交付を受ける。