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 森ビルは東京都港区で開発が進む「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー(以下、ステーションタワー)」と「麻布台ヒルズ」について、2023年秋に開業することを23年1月24日に発表した。同日に、ステーションタワーにつくる施設などの概要も明らかにした。「国際新都心・グローバルビジネスセンター」の形成を目指してきた「虎ノ門ヒルズ」が、ステーションタワーの誕生によりついに完成する。

森ビルの辻慎吾代表取締役社長と虎ノ門ヒルズエリアの模型(写真:日経クロステック)
森ビルの辻慎吾代表取締役社長と虎ノ門ヒルズエリアの模型(写真:日経クロステック)
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 ステーションタワーは東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅と一体で開発する、地下4階・地上49階建てで高さ約266mの超高層タワーだ。国際水準のオフィスやホテル、商業施設、情報発信拠点などを設け、新たなビジネスやイノベーションを世界に向けて発信する場とする。

 基本設計・実施設計は森ビル、デザイナーはOMAなど、施工は鹿島、きんでん、三建設備工業、日立ビルシステムが担当する。竣工は23年7月の予定だ。

虎ノ門ヒルズ 森タワーから撮影した「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」。下に写るのは工事中の歩行者デッキだ。愛称は「T-デッキ」(写真:日経クロステック)
虎ノ門ヒルズ 森タワーから撮影した「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」。下に写るのは工事中の歩行者デッキだ。愛称は「T-デッキ」(写真:日経クロステック)
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虎ノ門ヒルズ 森タワーから撮影した、工事中のT-デッキ(写真:日経クロステック)
虎ノ門ヒルズ 森タワーから撮影した、工事中のT-デッキ(写真:日経クロステック)
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 同プロジェクトの特徴の1つが、交通ネットワークの整備だ。街と一体で開発している虎ノ門ヒルズ駅の駅前広場として、地下と地上をつなぐ「ステーションアトリウム」を設ける。面積は約2000m2で、3層吹き抜けにする。全天候型で、自然光が入る開放的な広場となる。森ビルの辻慎吾代表取締役社長は「世界から人々を迎える都市の駅には、これまでなかったような豊かな広場が必要だと考えた」と説明する。

 幹線道路の桜田通り上には、「虎ノ門ヒルズ 森タワー」のオーバル広場と接続する、幅員20mの歩行者デッキを整備する。愛称は「T-デッキ」だ。

東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅の駅前広場「ステーションアトリウム」のイメージ。イベントスペースや商業ゾーンとつながる、にぎわった空間になる計画だ(出所:ⒸDBOX for Mori Building Co., Ltd.)
東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅の駅前広場「ステーションアトリウム」のイメージ。イベントスペースや商業ゾーンとつながる、にぎわった空間になる計画だ(出所:ⒸDBOX for Mori Building Co., Ltd.)
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虎ノ門ヒルズ ステーションタワー低層部の断面図。駅前広場のステーションアトリウムは3層吹き抜けになる(出所:森ビル)
虎ノ門ヒルズ ステーションタワー低層部の断面図。駅前広場のステーションアトリウムは3層吹き抜けになる(出所:森ビル)
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 「虎ノ門ヒルズ」の開発では、14年に「虎ノ門ヒルズ 森タワー」、20年に「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」、22年に「虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」が既に竣工している。ステーションタワーの完成により、虎ノ門ヒルズの区域面積は約7.5ヘクタール、延べ面積は約80万m2となる。

 森ビルの辻代表取締役社長は、虎ノ門ヒルズ近隣のエリアについて今後の展開を「虎ノ門ヒルズ駅を中心として、近くに当社の『ナンバービル』がある。これを含む形で再開発事業の機運が生まれている」と話した。