気象庁は2023年2月1日、緊急地震速報の発表基準に「長周期地震動階級」の予測値を加えた。特に強い地震に対して発表する「警報」の場合、4段階ある階級のうち3以上の揺れが予想される地域に速報を出す。テレビやスマホなどの報知音は、この警報を受けて鳴る仕組みだ。階級1以上が予想される場合には「予報」を出す。発表方法は従来と同じだ。
大規模な地震の際に発生することがある長周期地震動は、超高層ビルに長く大きな揺れをもたらす場合がある。階級3は立っていることが困難になるレベルだ。発表基準に追加することで、在館者が身の安全を確保するのに役立ててもらう。
発表基準の変更に伴い、予想される震度が3以下で、従来は警報の対象外だったエリアにも、長周期地震動階級3以上を予測した場合には速報を出すことになる。従来の緊急地震速報は、震度5弱以上の揺れを予測した場合に、震度4以上が予想される地域に警報を出していた。
気象庁は長周期地震動階級を追加した理由として、「長周期地震動によって人命に関わる重大な災害が起こる可能性があること」や「近年、高層ビルが増加しており、長周期地震動の影響を受ける人口が増えていること」「長周期地震動階級を予測する技術が進展し、実用の域に達したこと」を挙げている。