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 国土交通省は2023年1月31日、22年の新設住宅着工戸数を発表した。総戸数は前年比0.4%増の85万9529戸。2年連続の増加となった。ただし、利用関係別に見ると、持ち家(注文住宅)は前年比11.3%減の25万3287戸と大きく落ち込んだ。

2008~22年の新設住宅着工戸数の推移。棒グラフが年ごとの着工戸数で、折れ線グラフが前年比を表す(出所:国土交通省)
2008~22年の新設住宅着工戸数の推移。棒グラフが年ごとの着工戸数で、折れ線グラフが前年比を表す(出所:国土交通省)
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 持ち家の着工戸数は13カ月連続で前年同月実績を下回っている。22年12月も前年同月比13%減の1万9768戸だった。住宅市場に詳しい住宅産業研究所(東京・新宿)の関博計社長は、「22年12月の持ち家の着工戸数は、2万戸を下回った。2桁台の減少が7カ月連続で続いており、そろそろ年間25万戸割れも見えてきた。そうなれば、1960年以来の低水準だ」と語る。

 一方で、貸家は前年比7.4%増の34万5080戸、分譲住宅は前年比4.7%増の25万5487戸と好調。どちらも2年連続で増加した。分譲住宅のうち、マンションは前年比6.8%増の10万8198戸で、戸建て住宅は前年比3.5%増の14万5992戸だ。しかし、分譲戸建て住宅については変調の兆しがある。22年11月以降、2カ月連続で前年同月実績を割り込んだのだ。

利用関係別に見た、2008~22年の新設住宅着工戸数。棒グラフの上部が「貸家」、中央部が「分譲住宅」、下部が「持ち家(注文住宅)」だ(出所:国土交通省)
利用関係別に見た、2008~22年の新設住宅着工戸数。棒グラフの上部が「貸家」、中央部が「分譲住宅」、下部が「持ち家(注文住宅)」だ(出所:国土交通省)
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