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 トヨタ自動車は2023年3月28日、富士モータースポーツフォレスト・プロジェクトを推進する新会社「富士モータースポーツフォレスト」(静岡県小山町)を同年4月3日に設立すると発表した。また、トヨタ自動車は三菱地所と大成建設が保有する富士スピードウェイ(静岡県小山町)の一部株式を譲り受け、今回設立する新会社の完全子会社とする。

国際サーキットである富士スピードウェイ(写真:富士スピードウェイホテル)
国際サーキットである富士スピードウェイ(写真:富士スピードウェイホテル)
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 富士モータースポーツフォレストは、全長4563mの国際レーシングコースがある富士スピードウェイを中心に、ホテルやレーシングカーを展示するミュージアムなどで構成する体験型の複合施設だ。プロレーシングチームのガレージや温浴施設、レストランなども順次整備していく。

富士モータースポーツフォレストは、1966年に開業した「富士スピードウェイ」を中核とするレジャー施設になる(写真:富士スピードウェイホテル)
富士モータースポーツフォレストは、1966年に開業した「富士スピードウェイ」を中核とするレジャー施設になる(写真:富士スピードウェイホテル)
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富士モータースポーツフォレストの全体イメージ。2022年4月の発表時点(出所:トヨタ自動車、富士スピードウェイ、トヨタ不動産)
富士モータースポーツフォレストの全体イメージ。2022年4月の発表時点(出所:トヨタ自動車、富士スピードウェイ、トヨタ不動産)
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富士モータースポーツフォレストの施設イメージ。22年4月時点(出所:トヨタ自動車、富士スピードウェイ、トヨタ不動産)
富士モータースポーツフォレストの施設イメージ。22年4月時点(出所:トヨタ自動車、富士スピードウェイ、トヨタ不動産)
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 エリア内の各施設に大人から子供まで楽しめる体験を用意し、「未来のモビリティー・モータースポーツの街」を創出する。富士モータースポーツフォレストがある静岡県小山町は、トヨタ自動車が同県裾野市に開発しているスマートシティー「Woven City(ウーブン・シティ)」にも近い。

 トヨタ自動車はグループのトヨタ不動産(名古屋市)と連携し、不動産開発を積極的に進めている。日本初進出の「アンバウンド コレクション by Hyatt」ブランドの仲間入りをした「富士スピードウェイホテル」は、宿泊棟が地下1階・地上9階建て。ヴィラを含めた客室数は120。トヨタ不動産がホテルを所有・経営し、米ハイアット・ホテルズが運営している。

 ホテルは22年10月に開業したばかりで、サーキットビューや富士山ビューの部屋が自慢だ。温泉もある。「富士モータースポーツミュージアム」も同時期に開業した。トヨタ不動産は今後、レーシングチームのガレージや温浴施設、レストランをデベロッパーとして開発していく。

左の建物が22年10月に開業した「富士スピードウェイホテル」。ハイアットが運営する(写真:富士スピードウェイホテル)
左の建物が22年10月に開業した「富士スピードウェイホテル」。ハイアットが運営する(写真:富士スピードウェイホテル)
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サーキットビューのホテル客室(写真:富士スピードウェイホテル)
サーキットビューのホテル客室(写真:富士スピードウェイホテル)
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 場所は、新東名高速道路の小山パーキングエリアに設けられる予定の「小山スマートインターチェンジ(仮称)」の隣接地だ。将来的には東京から車で約1時間でアクセスできるようになる。御殿場プレミアム・アウトレットや山中湖、ゴルフ場などが近く、富士エリアの観光や買い物スポットとの回遊性を高める。

富士モータースポーツフォレストは、新東名高速道路の小山パーキングエリアに設けられる予定の「小山スマートインターチェンジ(仮称)」の隣接地にある(出所:トヨタ自動車、富士スピードウェイ、トヨタ不動産)
富士モータースポーツフォレストは、新東名高速道路の小山パーキングエリアに設けられる予定の「小山スマートインターチェンジ(仮称)」の隣接地にある(出所:トヨタ自動車、富士スピードウェイ、トヨタ不動産)
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 他にもトヨタ自動車とトヨタ不動産は都内で、お台場にあったトヨタのショールーム施設「MEGA WEB(メガウェブ)」の跡地に、男子プロバスケットボールクラブ「アルバルク東京」の本拠地となる次世代アリーナ「TOKYO A-ARENA(仮称)」をトヨタアルバルク東京(東京・文京)と共同で建設。25年秋の開業を目指している。富士とお台場に共通するのは、スポーツと連携した不動産開発である。