ハンファジャパン(東京・港)は、木造建築の外壁面に自社の太陽光発電パネル「Qセルズ」を専用金具だけで固定する新工法「D-WALLⅡ」の限定販売を、2023年4月に開始した。積雪によって屋根に太陽光発電を設置するのが難しい多雪地域が、販売のターゲットだ。
専用金具は金物メーカーのスワロー工業(新潟県燕市)が開発した。縦桟や横桟からなる架台(ラック)を使わないラックレスという固定方法で、木造の壁面設置ではこれまでにないという。ラックレスなので、外壁からの出っ張りが少なく垂直にすっきりと収まる。ラックに固定するよりも、ラックそのものやラックを取り付ける胴縁などのコストを抑えられる点もメリットだ。
D-WALLⅡは、新築時に専用金具を躯体(くたい)の柱や間柱にねじで留め付け、太陽光発電パネルを固定する。こうした設置工事は新築時の足場を活用して行う。スワロー工業は、既存建物の外壁に後付けする「SKソーラーウォール工法」を既に販売しているが、設置工事用にわざわざ足場を設けなければならないことが、足場の不要な屋根設置と比べて普及の妨げだった。D-WALLⅡは新築時の足場を活用することで一層の普及を図る。