奥村組とユアサ商事は、コンクリートを散水養生する際に表面の乾湿状況を自動で認識できるロボットを共同開発し、実用化に向けて実証実験を行った。自動認識ロボットがコンクリート上を自律走行し、乾湿状況をデータ化する。人手を介さない乾湿状況の管理により、効率化と省人化を図る。2023年4月24日に発表した。
自動認識ロボットには、奥村組と桐生電子開発合同会社(群馬県桐生市)が21年10月に共同で開発した、光学センサーを搭載した。床スラブ表面の水分の有無による吸光特性の違いから、乾湿状況を定量的に認識する独自の機能だ。取得したデータを管理用PCに送り、乾燥であれば赤、半乾燥は黄、湿潤は青と3色でカラーマップ上に表示、乾湿状況を可視化する。現状はローカルでデータの受け渡しを行うが、ロボットが読み取ったデータをクラウドで共有する専用ソフトウェアの開発を検討している。
23年2月に仙台市で行った実証実験では、ロボットが1000m2規模の床コンクリートの乾湿状況を30分程度で自動認識することを確認した。今後は、操作性や耐久性の向上、小型化などに取り組み、実践現場に即した利便性のよいモデルへ改良を進める。