
ニュース解説:建築・住宅
目次
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鉄骨造ビルの耐火被覆を削減、竹中工務店と日本製鉄が大臣認定取得で初適用
竹中工務店と日本製鉄は鉄骨造の耐火建築物で、鉄骨小梁(こばり)の耐火被覆が不要になる設計技術を新たに開発した。国土交通大臣の認定を取得し、国内2件の中高層複合ビルのオフィス部分に初適用した。2023年2月28日に発表した。
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ずさんな品質管理が生んだ大成建設の施工不良、柱の傾きは最大2.1cmの基準超過
大成建設が札幌市中央区で施工している超高層ビル「(仮称)札幌北1西5計画」で2023年3月16日に明らかになった鉄骨の精度不良問題で、徐々に詳細が分かってきた。計70カ所以上の柱の傾きが、日本建築学会の建築工事標準仕様書(JASS6)に基づき契約で定めた限界許容差を超えており、ずれは最大21mmだ…
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三菱ケミカルと竹中工務店ら 植物由来のプラスチックでベンチを「印刷」
三菱ケミカルグループと竹中工務店、エス.ラボ(京都市)、慶応義塾大学田中浩也研究室は共同で、3Dプリンターを用いて樹脂製のベンチを製作したと2023年2月8日に発表した。三菱ケミカルグループの研究開発拠点の敷地内に設置している。中空のベンチ内に照明器具を据え付けて、屋外空間の演出にも寄与する。
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亀岡市議選で発覚したプレハブ選挙事務所の建基法違反、なぜ繰り返されるのか
候補者32人のうち9人の選挙事務所で必要な手続きを怠る
建築確認にまつわるトラブルが、市民の代表を選ぶ選挙を舞台に起こった。2023年1月22日に投開票を終えた京都府亀岡市の市議会議員選挙で、候補者32人のうち9人の選挙事務所で必要な手続きがされておらず、建築基準法違反の状態だったことが京都府の調査で分かった。
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在宅時の侵入犯罪に対抗、玄関先を常時撮影するインターホンが宅配ボックスと連動
宅配ボックス大手のナスタ(東京・港)は、24時間監視カメラと宅配事業者に自動音声指示を出せる機能を併せ持つインターホンの一般販売を2023年3月1日に開始した。戸建て住宅におけるセキュリティーの強化と荷物受け取りの利便性向上を狙う。
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住民など200人超が東京都を提訴、神宮外苑再開発の認可取り消しを請求
神宮外苑地区第一種市街地再開発事業を巡り、周辺住民などから成る原告団が2023年2月28日、東京都に対して事業の施行認可取り消しと1人当たり1万1000円の慰謝料などを求める訴訟を東京地方裁判所に提起した。判決確定までの認可の執行停止も併せて申し立てた。
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札幌で施工中の超高層ビルで大成建設が精度不良を隠蔽、再構築で竣工が2年超遅延
寺本剛啓取締役と平島信一常務執行役員が引責辞任へ
大成建設は2023年3月16日、札幌市中央区で同社が施工している高さ約116mの超高層ビル「(仮称)札幌北1西5計画」の現場で、鉄骨建て方とスラブ厚の精度不良があったと発表した。鉄骨精度の計測値を偽って工事監理者に報告していたことも明らかにした。地上部などを撤去して再構築するため、竣工は2年超遅れ…
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バルコニー柵「基準より相当低い」、転落死でアパホテルに約1780万円支払い命令
宿泊客の男性がホテルの22階から転落死した事故で、遺族がアパホテル(東京・港)に慰謝料など約1億3162万円の支払いを求めた裁判。一審の東京地方裁判所は2023年2月27日、約1780万円を支払うようアパホテルに命じた。バルコニーの柵の高さが建築基準法施行令126条1項に違反していると判断した。
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ラファエル・ヴィニオリ氏が死去、東京国際フォーラムを設計
米ニューヨーク市在住の建築家ラファエル・ヴィニオリ氏が2023年3月2日に死去した。78歳だった。米国の現地報道によると、ニューヨーク市マンハッタンの病院で動脈瘤(りゅう)のため死亡したという。日本では東京国際フォーラム(東京・千代田、1996年竣工)を設計したことで知られている。
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デジタル検討でシンプルさを追求、選手村ビレッジプラザの特殊架構の裏側
東京五輪・パラリンピックのために建てられた「選手村ビレッジプラザ」は、全国の自治体が建設用の材木を提供し、さらに解体後に引き取って再利用するという森林資源活用プロジェクトだった。合理的に実現するために、設計や施工の現場では、今後の木造建築の在り方を変え得る取り組みが進んでいた。
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日本アクア、溶接火花はじくコート剤 断熱材火災防止
日本アクア(東京・港)は2023年2月1日、硬質ウレタンフォームなど火気に弱い有機系断熱材に塗布して火災リスクを軽減する、防火コート剤「アクアバリア」を発売した。アクアバリアを塗布した面は火花をはじくので、溶接や溶断作業時に発生する火花による火災を防止できる。
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BIMによるトレーサビリティーを徹底、東京五輪の選手村ビレッジプラザ
2021年開催の東京五輪・パラリンピックのために建てられた「選手村ビレッジプラザ」は、使用する材木に制約が生じるプロジェクトだった。提供元が63自治体に及び、閉幕後に返却する必要があった。設計から返却まで、様々な場面でBIMが活躍した。
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渋沢栄一ゆかりの「中の家」改修工事が完成間近、清水建設が現場を公開
清水建設は2023年2月24日、埼玉県深谷市に立つ旧渋沢栄一邸「中の家(なかんち)」主屋で進める、構造補強と改修工事の建設現場を公開した。同年4月末の竣工を目指し、内装工事や瓦屋根のふき替え工事などを進めていた。
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コンピュータ教育振興協会がBIM資格制度を創設、2023年度中の開始を目指す
コンピュータ教育振興協会は、BIMの新たな試験制度「BIM利用技術者試験(仮称)」を創設する。BIM人材の教育指針・目標にしてもらうのが狙い。2023年度中の開始を目指し、23年2月に公開トライアルを始めた。
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2023年プリツカー賞はD.チッパーフィールド氏、建築の公共性を追求する姿勢を評価
2023年プリツカー建築賞の栄誉を手にしたのは、英国を代表する建築家のデイビッド・アラン・チッパーフィールド氏だ。同賞を主催する米ハイアット財団が米東部時間の3月7日午前10時に発表した。チッパーフィールド氏は1953年、英ロンドン生まれ。英国の受賞者は、2007年の故リチャード・ロジャース氏以来…
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東京五輪の木造施設、解体後の「レガシー材」活用が各地で続々
2021年に閉幕した東京五輪・パラで選手団などの生活を支援した「選手村ビレッジプラザ」は、全国の自治体が大会施設のために提供した木材を引き取って再利用する「日本の木材活用リレー ~みんなで作る選手村ビレッジプラザ~」という取り組みで建てられた。各自治体が返却された材を再利用し始めている。
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妹島和世氏ら輩出の日本女子大が「建築デザイン研究科」創設、著名建築家を教員に
日本女子大学(東京・文京)は2023年2月16日、大学院に新しく「建築デザイン研究科(仮称)」を設置すると発表した。現在の家政学研究科住居学専攻を新研究科として独立させ、全学で5研究科から6研究科体制とする構想だ。24年4月の開設を目指す。研究科の新設は1996年の理学研究科以来で約30年ぶり。
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話題の画像生成AIが建築デザインにも、設計初期にかかる手間と時間を短縮
クリエーティブな領域まで活用の幅を広げるAI(人工知能)が、建築デザインにも進出してきた。建設テック系スタートアップ企業のmign(マイン、東京・文京)は2023年2月8日、画像生成AIを組み込んだ「studiffuse(スタディフューズ)」の提供を開始した。テキスト情報や画像を基に自動で画像を生…
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丹下建築の照明改修訴訟で設計者勝訴、愛媛県の入札参加資格停止措置を違法と認定
松山地方裁判所が慰謝料など300万円超の支払いを県に命じる
丹下建築として知られる愛媛県県民文化会館の改修設計を巡り、設計者の内藤建築事務所(京都市)が、発注者の愛媛県に2000万円の損害賠償などを請求していた裁判。松山地方裁判所は、設計の不備を理由とする入札参加資格停止措置は、法律に違反しているなどとして、慰謝料など300万円超の支払いを県に命じた。
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建物に貼るペロブスカイト太陽電池、積水化学が実証開始
積水化学工業は建物の外壁などに貼れるフィルム型の「ペロブスカイト太陽電池」を実際に設置して検証する実証実験をNTTデータと共同で2023年4月から始めると発表した。積水化学によれば、建物の外壁に設置する実証実験は国内初となる。