
ニュース解説:建築・住宅
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大阪ビル火災から1年、国交省が「退避区画」の仕様など示す改修指針
国交省は2022年12月16日、「直通階段が一つの建築物等向けの火災安全改修ガイドライン」を公表した。21年12月17日に大阪・北新地で発生したビル火災を踏まえ、直通階段が1つしかない建築物の安全性を高めるのが目的。2方向避難の確保が難しい建物について、改修の考え方や仕様を詳細に示したのがポイント…
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衝撃緩和に優れる畳床で転倒事故に一石、島根大などが開発
島根大学総合理工学部建築デザイン学科の清水貴史准教授らの研究グループは、転倒時の衝撃を緩和する性能と歩行性を両立させた畳床を開発した。従来の畳より薄く、フローリングの上に置き敷きできるので、室内の安全対策を手軽に講じることができる。
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万博目玉パビリオンの工事入札で不落不調、独創デザイン評価に発注者と応札者でかい離
大阪・関西万博の開幕まで850日を切った2022年12月中旬時点で、中核となるパビリオンや会場内施設の建設工事入札で不落・不調が相次いでいる。工事等公告済みである6つのテーマ事業パビリオンは「入札者なし」「予定価格の範囲内での応札者なし」という状態だ。大催事場と迎賓館も同様である。何が起こっている…
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日建設計の「概炭ツール」、設計初期からCO2排出量と工事費を概算可能
日建設計は建設に起因する温暖化ガス排出量を概算できる「概炭ツール」を開発し、本格運用を開始した。資機材の製造段階から施工段階までの温暖化ガスの排出量を、工事費と併せて試算できる。2022年11月7日に発表した。
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日建設計が目指す「仮想空間と現実空間が融合」したオフィス
オフィスにいながら、テレワーカーとハイタッチしたり、握手したりできる――。日建設計とMR(複合現実)開発などを手掛けるホロラボ(東京・品川)は、仮想空間と現実空間が融合したオフィス「Cyber-Physical Workplace」の実現に向けて、MRアプリのプロトタイプを開発したと2022年11…
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集合住宅からの幼児転落死が頻発、 都営住宅では歩行補助手すりが足場になったか
2022年10月から12月上旬までの間に、幼児が集合住宅の上階から転落死する事故が、報道されたケースだけで4件も起こっている。このうち2件はバルコニーの手すり壁を乗り越えるという、集合住宅での事故に多いパターンとみられるが、残り2件のうち1件は共用廊下から、もう1件は出窓からだった。
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アキュラホームの純木造5階建てモデル棟を解剖、コスト抑制効果は?
アキュラホーム(東京・新宿)は2022年11月5日、構造部分の多くを現(あらわ)しとする 「普及型純木造ビル」の5階建てモデル棟を、川崎住宅公園(川崎市)内にオープンさせた。木造軸組み工法による5階建てモデルハウスとしては日本初だ。
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国交省が建築BIMへの補助を一気に40倍増、補正予算に計80億円
国土交通省は計80億円を投じて、建築分野におけるBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用を後押しする。中小事業者が連携して進める建築プロジェクトを対象に、BIMモデル作成などに要する費用を補助する予定だ。2022年12月2日に成立した22年度第2次補正予算に計上した。
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シドニー市内で最高層のオフィスビルが竣工、三菱地所らの大規模開発で環境にも配慮
三菱地所は2022年11月25日、オーストラリアのシドニー市内で最高の高さとなるオフィスビルの竣工を発表した。名称は「180 ジョージストリート(George Street)」で、高さは約263mだ。大部分の階で内装工事が継続中で、終わり次第テナントの入居が進む予定だ。
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東京都港区のトイレに新風を、プロポに勝利した日建設計・畑島楓氏のビジョン
東京都港区は2022年12月5日、区内31カ所にある公衆トイレの将来像を示す事業の公募型プロポーザルで、日建設計を事業者に選定したと発表。提案書を作成したのは建築コンサルとトランスジェンダーの当事者、2つの顔で活動を続けてきた畑島楓氏だ。
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野村不動産はアバター接客で気軽さ訴求、大手各社がマンションのメタバース営業
野村不動産は2022年11月11日、マンションや戸建て住宅の販売に活用するメタバース(仮想空間)を開設した。同社が21年9月に開始した、オンラインで住宅購入の相談ができるサービス「プラウドオンラインサロン」に新たに設けた。競合の不動産会社も一斉に、同様のメタバース営業を開始した。
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サッカーW杯、ザハ設計のスタジアムで日本代表は「新しい景色」を見られるか
連日熱戦が繰り広げられるサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会。スペインとドイツを破り、1次リーグを1位で突破した日本代表はベスト16入りを果たした。日本代表は「新しい景色を」という合言葉のもと、初のベスト8進出を目指して決勝リーグに臨む。悲願達成を懸けた試合が開催される会場にも注目だ。
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傾斜45度の壁も造形可能、3Dプリンターで印刷中の建物を大林組が初公開
大林組は2022年11月18日、東京都清瀬市にある同社の技術研究所内で建設中の「3Dプリンター実証棟」(以下、実証棟)を報道陣に初公開した。実証棟の施工には、産業用ロボットアームをベースに自社開発したセメント系建設3Dプリンターを用いている。5月に着工し、2023年2月ごろの完成を予定している。
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名古屋の超高層ビル建設現場で3度目の事故、今回は6階からボルトが落下
2022年11月10日午後1時18分ごろ、名古屋市中区栄の超高層ビルの建設現場で、地上約30mの高さから長さ5cmのボルトが1本、現場近くの歩道に落下した。負傷者はいなかった。この現場では、7月26日に隣接する歩道が陥没し、8月8日には地上約140mから重さ約5kgの鋼板が落下。事故が続いている。
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建設中の住宅を映像アプリで遠隔確認、大東建託が現場監督者の移動時間削減
大東建託は2022年10月17日、住宅の建設現場に遠隔支援アプリを導入した。タブレットやスマートフォンを通して、現場の情報を遠隔地とリアルタイムで共有。映像や音声で建物や躯体(くたい)の状態などを確認し合う。複数の住宅を掛け持ちする現場監督者の無駄な移動を削減する。
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資材高騰が粗利率を押し下げたゼネコン中間決算、各社は「採算重視の受注を徹底」
2022年11月上旬に上場建設会社大手4社の23年3月期第2四半期決算(単体)が出そろった。鋼材価格などの高騰が建築事業の粗利率を押し下げた。これ以上の粗利率の低下を避けるため、各社は「採算を重視した受注を徹底している」と口をそろえる。
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庁舎の袖壁に使えるCLT部材、国交省が試設計で構造評定を取得
国土交通省は、鉄筋コンクリート(RC)造の柱にCLT(直交集成板)パネルの袖壁を設けた中規模庁舎の設計例を示した。構造評定を取得し、構造安全性を確認済み。CLT現しの混構造だ。
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健康に寄与する住宅の認証制度、山下PMCが理研の研究者らと開始
建築のプロジェクトマネジメント(PM)などを手掛ける山下PMC(東京・中央)は、心身の健康に着目した新たな住宅向け認証制度を開発し、提供を開始したと2022年10月28日に発表した。科学的なエビデンスに基づいて設定した評価項目で住環境をチェックし、住人の心身の健康に寄与するかどうか評価する。
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サッカーW杯がカタールで開幕、日本代表戦が開催されるスタジアムは?
サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会が2022年11月20日(現地時間)に開幕した。7大会連続出場を成し遂げ、初のベスト8入りを目指す日本代表は、1次リーグE組に入り、ドイツ、コスタリカ、スペインと決勝リーグ進出をかけて対戦する。観戦時には、試合が開催されるスタジアムにも注目したい。
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清水建設の門形建設3Dプリンター、長さ20mの埋設型枠を現場で印刷
清水建設は、建設現場で構造物を印刷できる門形の建設3Dプリンターを開発したと2022年9月30日に発表した。同社は、建設中の自社施設「(仮称)潮見イノベーションセンター」(東京・江東)の現場にプリンターを持ち込み、建物の柱をつくるための埋設型枠を印刷した。