
ニュース解説:建築・住宅
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鹿島が現場をお披露目、木造ユニットを次々に積む「フライングボックス工法」の全貌
鹿島は2022年5月31日、CLTパネルとPC床版を用いた新工法「フライングボックス工法」を発表した。同日には、この工法を適用して建設中の鹿島グループ研修施設「(仮称)鶴見研修センター」の現場を公開した。その様子をお伝えする。
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資材高騰で公共事業の予算超過が続出、PFI事業者が負担する例も
資材高騰と労務費上昇の影響で、美術館や庁舎といった大型公共事業の建設費が、当初予算を超過する事態が各地で発生している。建設費を削減するために仕様を変更するなど、関係者は対応に追われている。
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バリアフリー住宅なのに段差、住友不動産に慰謝料の支払い命じた異例の判決
建て主の両親が設計・施工者の住友不動産に損害賠償や慰謝料の支払いを求めた訴訟で、東京地方裁判所が同社に対して約486万円の損害賠償と慰謝料50万円の支払いを命じたことが分かった。判決は2022年3月22日付。原告、被告ともに控訴している。
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林野庁長官賞の木造保育園はなぜ全焼したか、専門家「消火のしやすさも重要」
2022年5月11日深夜、林野庁長官賞を受賞したことでも知られる三重県いなべ市の市立笠間保育園で火災が発生し、木造・平屋の保育所が全焼した。桜設計集団の安井昇代表は、「イ準耐火建築物としての要求性能を十分発揮した」と指摘する一方で、「消火しやすい建物をつくるのも重要な視点だ」と教訓を語る。
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石灰石由来の新素材でエコな軽量天井材、大林組と素材ベンチャーのTBMが開発
大林組と素材ベンチャーのTBMは、軽量で環境負荷の低い天井材を共同で開発し、不燃材料の国土交通大臣認定を取得した。大林組が開発した金属箔複合シートと、TBMが開発した石灰石を主原料とする新素材LIMEXを用いている。2022年4月25日に発表した。
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古い地域冷暖房をよみがえらせる3つのAI、CO2を2~3割削減
日建設計(東京・千代田)など5社は2022年5月9日、既存の地域冷暖房システムの運転を効率化するためのAI(人工知能)を開発したと発表した。AIを組み込んだコンピューターを設置し、既存のシステムから運転データを読み込ませるだけで導入できるのが売りだ。
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建材・住宅設備ショックで工務店の6割超が利益率ダウン
建材・住宅設備の価格高騰や納期遅延の影響で、工務店の経営が悪化していることが、全国建設労働組合総連合(全建総連)の調査で明らかになった。見積価格の上昇や不確実な納期が災いし、契約成立に至りにくいことが背景にある。
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三井不動産が建設時CO2排出量の算出指針を作成、建設会社に計算求める方針
三井不動産と日建設計は「建設時GHG排出量算出マニュアル」を共同で作成した。建設時のCO2排出量を資材ごとに積み上げ、簡単かつ詳細に算出できるのがポイントだ。
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和束町プロポ問題で日本建築家協会が声明、募集要領と異なる運営に「大変残念」
京都府和束町が2021年に実施した「和束町総合保健福祉施設設計業務公募型プロポーザル」における不透明な選定プロセスが波紋を広げている。日本建築家協会は22年4月22日、「自治体等による設計プロポーザルの運営に対する意見表明」と題する文書を公表した。
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衛星画像、3Dモデルなどオープンデータの活用で戦地の現在を記録する
ウクライナ衛星画像マップ[下編]
衛星画像やフォトグラメトリーを活用し、ウクライナ侵攻の推移をデジタル地球儀にアーカイブしていく「ウクライナ衛星画像マップ」。オープン化されたプラットフォームやデータを活用し、地理にひも付けられた情報として新たな伝え方を開拓する、東京大学大学院情報学環・学際情報学府の渡邉英徳教授に聞いた。
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物価高騰を受けた経済対策、住宅の省エネ対策や国産材への転換を支援
政府が2022年4月26日に決定した緊急経済対策には、原油価格や物価の高騰に対する支援策が並んだ。規模は国費で約6.2兆円、事業規模は約13.2兆円。住宅の省エネルギー対策など、建設関連の項目を見ていこう。
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フォトグラメトリーのモデルを即座にマッピング、戦争による破壊伝える
ウクライナ衛星画像マップ[中編]
ウクライナ侵攻の推移をデジタル地球儀にマッピングする「ウクライナ衛星画像マップ」。これまでにも戦争や自然災害の記憶を継承し、デジタルアーカイブ化してきた東京大学大学院情報学環・学際情報学府の渡邉英徳教授に、現在進行中の事態を対象とする新たな取り組みについて聞いた。
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デジタル地球儀にアーカイブされるウクライナ侵攻、戦況の可視化図る
ウクライナ衛星画像マップ[上編]
特定の場所の戦争や自然災害の記憶などを継承し、Web上のデジタル地球儀にマッピングする「多元的デジタルアーカイブズ」の活動で知られる東京大学大学院情報学環・学際情報学府の渡邉英徳教授。ロシア軍がウクライナ侵攻を開始した2022年2月、「ウクライナ衛星画像マップ」を即座に立ち上げた。現在進行中の事態…
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大成建設の脱炭素コンクリート、アイシン秘伝のアミノ酸がラストピース
大成建設は2022年4月1日、自動車部品大手のアイシンと共同開発契約を締結したと発表した。大成建設が開発したカーボンマイナスコンクリートに、アイシンが保有する特許技術を適用する。30年ごろまでの実用化を目指す。
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「ウクライナ危機が住宅価格を押し上げる」独自調査に住宅大手9社中8社が回答
価格高騰や品不足を懸念する資材なども調査
ウクライナ危機は、住宅価格を押し上げるか――。日経クロステックが実施した調査で、主要住宅会社9社のうち8社が住宅価格を「押し上げる」または「どちらかといえば押し上げる」と回答した。建材や住宅設備の値上げが相次ぐなか、ウクライナ危機の影響で資材価格がさらに高騰し、住宅価格の上昇につながる恐れが出てき…
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23時間で3Dプリンター住宅を建設、セレンディクス
スタートアップ企業のセレンディクス(兵庫県西宮市)は、建設3Dプリンターを使って球状の小規模住宅「Sphere(スフィア)」を施工した。同社が実際の住宅を建設するのは初めてだ。3Dプリンターでつくった部材を建設地で組み立てる施工にかかった時間は23時間12分。施工を担当したのは百年住宅(静岡市)、…
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ロシアの木材禁輸で屋根材の仕様変更へ、外装材大手のケイミュー
外装材大手のケイミュー(大阪市)は2022年4月8日、戸建て住宅の屋根材として一般的な化粧スレートの野地板に、「全層スギ(国産)の構造用合板」を使用できるようにすると明らかにした。
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高松グループが3つの孫会社を子会社に、組織再編で住宅事業など強化
高松コンストラクショングループ(TCG)は2022年4月1日、グループのガバナンス強化などを目的に組織を再編した。孫会社だったみらい建設工業(東京・港)と東興ジオテック(東京・中央)、タカマツハウス(東京・渋谷)の3社をTCGの子会社とした。
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ウクライナ危機で浮上したエネルギー問題、建築物の脱炭素は加速するか
三井住友トラスト基礎研究所海外市場調査部の深井宏昭主任研究員に聞く
ロシアのウクライナ侵攻で浮上した欧州のエネルギー問題は、脱炭素に向けて強化が進む建築物の環境規制に影響を与えそうだ。資材高やサプライチェーンの混乱が欧州の不動産市場にもたらす影響と合わせて、専門家に見立てを聞いた。
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スーパーシティは「無難な都市」に落ち着くのか
政府の国家戦略特別区域諮問会議(議長:岸田文雄首相)は2022年3月10日、「スーパーシティ」構想の区域に、インターネット投票などを提案した茨城県つくば市と、空飛ぶクルマの実装やドローンを活用した建設現場の革新などを提案した大阪府・大阪市を指定すると決めた。