
ニュース解説:建築・住宅
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事業領域の拡大を図る日建設計、今度は林千晶氏らと合弁会社「Q0」設立
日建設計が他社との協業を立て続けに発表している。2022年9月には、ハチハチ(東京・渋谷)とロフトワーク(東京・渋谷)と共に、合弁会社「Q0(キューゼロ)」を設立した。地方の地元企業などと協力しながら、地方と都市の新たな関係性をつくる。
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AI×IoTで伝統木造を火災から守る、清水建設が新システムを旧渋沢邸に初適用
清水建設は、カメラ画像から火災を検知するAI(人工知能)と、IoT(モノのインターネット)による消火装置の制御技術を組み合わせた新たな防災システム「慈雨(じう)」を開発したと発表した。火災の早期発見と、出火部位に的を絞った放水による早期消火で、文化的価値の高い伝統木造建築物の防災対策を強化する。
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超高層ビルの上・下層階が揺れを打ち消し合う、清水建設の制振革命
超高層ビルの制振構造に革命をもたらす新システムが登場した。清水建設は2022年9月22日、制振装置の台数を大幅に削減しながら、地震時の揺れを半分以下に抑えるシステム「BILMUS(ビルマス)」を、25年に竣工予定の超高層ビル「芝浦プロジェクト」S棟に初導入すると発表した。
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謎の横揺れは三菱重工製制振装置の誤作動、三井不動産系ホテルで一時避難
2022年9月18日の午後11時ごろ、仙台市青葉区に立つ高さ約81mの「仙台本町三井ビルディング」で、建物全体が突然横揺れを繰り返す現象が発生した。当時、地震や強風は発生していなかった。屋上に設置された三菱重工業製の制振装置の誤作動が原因とみられている。
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ロープの振れ幅を監視して地震による休止時間を短縮、フジテックのエレベーター
エレベーター大手のフジテックは2022年8月18日、レーザースキャナーでエレベーターロープの振れ幅を監視して停止の判断を正確に下し、地震時の運行休止時間を短縮する感知システムを開発したと発表した。対象は高さ120m以上の高層建築物。22年4月に東京都内の超高層マンションに納入し、運用を始めている。
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樹脂とアルミ樹脂複合のいいとこ取りを狙う、YKKAPが新しい大開口窓を開発
YKKAPは2022年10月3日、大開口かつ高断熱の窓を発売する。障子は樹脂で、枠はアルミ樹脂複合という、これまでにない組み合わせだ。最大サイズは幅約3.5m、高さ約2.4mを確保できる。同社はこのサッシを「ハイブリッドスライディング」と名付けた。
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BIMデータで乾式壁をプレカット、作業時間と廃棄物を削減
東急建設と野原ホールディングスは、BIMデータを用いた乾式壁のプレカット技術に関する検証を、増築工事の現場で実施した。作業効率の向上、事故防止、廃棄物削減などに効果が期待できる。
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東京ミッドタウン八重洲が一部開業、人とバスの流れを変える地下空間
2022年9月17日、東京・八重洲で「東京ミッドタウン八重洲」のバスターミナルと商業施設の一部が先行オープンした。オフィスワーカーや観光客、バス乗降客などの利用を狙う。飲食店など13店舗が出店。今回お披露目された見どころを写真と共にお伝えする。
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戸田建設が工事監理に特化した1級建築士事務所「受注に必要」
戸田建設は2022年9月6日、工事監理に特化した「戸田建設株式会社工事監理一級建築士事務所」(東京・港)を開設したと発表した。設計・工事部門から独立した第三者の立場で工事監理を実施できるようにして、発注者のニーズに応える。事務所登録は22年3月15日。既に民間建築工事で数件の実績がある。
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東急不動産とアクセンチュア、マンション販売でデジタルツイン活用
東急不動産とアクセンチュアは、デジタル技術を活用したマンション販売で協業すると発表した。まずはアクセンチュアのCG技術で、東急不動産の分譲マンションブランド「BRANZ(ブランズ)」のデジタルツインを構築する。2022年度中に都内4物件で取り組む。
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DMMが住宅模型の3Dプリントサービスを開始、3DCADデータ基に細部まで再現
DMM.comは、DMM.make 3Dプリント事業の一環で「3Dプリント住宅模型サービス」の提供を2022年8月16日に開始した。ユーザーが用意した3DCADデータを基に住宅模型を作製し、最短1週間で納品する。住宅の外観だけでなく、家具や家電などの細部まで設計通りに再現できる。
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隈研吾氏が設計、東日本大震災の伝承館「南三陸311メモリアル」が開業へ
宮城県南三陸町で、隈研吾氏が設計した「南三陸311メモリアル」が、2022年10月1日にオープンする。本施設は東日本大震災の伝承館で、町が整備する道の駅「さんさん南三陸」の一部に当たる。南三陸町中心街の拠点整備事業は、この伝承館の竣工を持って復興の集大成を迎える。
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梓設計の新社長に常務の有吉氏、14年ぶりに社長交代
梓設計(東京・大田)は2022年8月26日の定時株主総会と取締役会で、社長交代を決定した。常務取締役執行役員だった有吉匡氏が、同日付で代表取締役社長に昇格した。社長交代は08年以来、14年ぶりとなる。前社長の杉谷文彦氏は代表取締役会長に就いた。
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神宮外苑再開発の環境アセスで答申、審議会が異例の注文
東京都の環境影響評価審議会は2022年8月18日の総会で、三井不動産などが進める「(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業」の環境影響評価書案について、小池百合子東京都知事に答申した。答申後も審議会が事業者の取り組みを継続的にチェックすることを盛り込んだ、異例の内容だ。
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三菱電機が丸の内の風況を可視化、建設現場の高所作業への活用視野に
三菱電機と三菱地所は2022年8月1日~5日に、東京・丸の内などの風況(風速と風向)データを計測・可視化する実証実験を実施した。期間中にはゲリラ豪雨や夕立があり、豊富なデータを取得できた。
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戻りコン不正再利用で4棟が解体の憂き目に、川崎市は8棟を建基法違反と判断
小島建材店(川崎市)が出荷した生コンクリートが日本産業規格(JIS)に適合していなかった問題で、各特定行政庁が進めていた調査から被害状況が明らかになってきた。日経クロステックの取材によると、問題の生コンを基礎に打設した建物は東京都・神奈川県内で計34棟。そのうち計4棟が解体された。
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注文住宅の着工減が止まらない、資材高騰などで戸建て分譲が優位に
設計事務所や住宅会社の主戦場である戸建ての注文住宅に、逆風が吹き荒れている。国土交通省が2022年8月31日に発表した22年7月の新設住宅着工戸数で、持ち家(注文住宅)は前年同月比14.1%減の2万2406戸だった。前年同月実績を下回るのは、8カ月連続だ。
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世界最高182mの木造超高層を大林組が豪で受注、日本の最新プロジェクトと独自比較
大林組は2022年8月24日、豪Built(ビルト)との共同企業体で、木造ハイブリッド構造として世界一の高さになる182mの超高層ビルの施工を受注したと発表した。オーストラリアのシドニーで、26年の完成を予定する。この建物がどの程度大きいのか、国内で発表済みの主な木造プロジェクトと独自比較した。
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ロールスクリーンで太陽光発電、ビルの脱炭素へLIXILが実験
LIXILは2022年7月19日、太陽光発電をしながら窓部の日射遮蔽性や断熱性を高める「太陽光発電(PV)ロールスクリーンシステム」を開発し、自社のオフィスで実証実験を始めたと発表した。従来のロールスクリーンと同様に巻き取りが可能。屋内で後付けできるので、既存ビルの環境性能を手軽に向上できる。
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住戸内の給排水管交換を拒否する区分所有者とは念書を交わす
築33年を迎えた分譲マンション「インペリアル東久留米」の取り組み<後編>
分譲マンションの管理組合が大規模修繕工事で給排水管を交換すると決議しても、全ての給排水管を交換するのは容易ではない。築33年を迎えたインペリアル東久留米(東京都東久留米市)の管理組合は、できるだけ多くの区分所有者が住戸内での給排水管工事に応じるための対策を打つ。