
ニュース解説:建築・住宅
目次
-
瓦屋根のガイドライン大改訂、強風被害に備える推奨仕様を充実
瓦屋根の設計・施工方法などの詳細を記載し、2021年7月1日に発行された「2021年改訂版瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」。瓦屋根の緊結方法を定めた建設省告示109号の20年改正を踏まえて、従来のガイドラインを大改訂した。
-
福岡市の免震偽装超高層マンション、築15年なのに解体決定の怪
築15年の超高層マンションが解体されることが分かった。東洋ゴム工業(現・TOYO TIRE)がデータを偽装した免震ゴムを使用していた物件だ。交換ではなく解体という異例の対応。急な決定に住人は困惑する。日経クロステックの取材で、事件発覚後は免震ゴムを交換する方向で設計が進んでいたことが判明した。異例…
-
柱や梁を二重に配置、竹中工務店が住宅用木材を使った新木架構システム開発
竹中工務店は、戸建て住宅用の一般流通材を使ってオフィスなど大スパンの建物を建築できる新木架構システム「ダブルティンバー」を開発した。施工中の小規模オフィスの北海道地区FMセンター(札幌市)に初採用している。2021年7月20日に発表した。
-
3次元曲面ガラスファサードの支持部材を3Dプリンターで生産、清水建設が新構法
清水建設は、複雑な曲面形状のガラスファサードを構築する「3次元曲面ガラススクリーン構法」を開発した。曲面ガラスを点支持する部材を最適設計するとともに、3D金属プリンターを用いて支持部材を一品生産する。3次元曲面の設計の自由度を高めながら、施工性や施工品質を確保する。
-
南極でCFRPの屋根架構を設置へ、竹中工務店と国立極地研究所
年平均気温がマイナス50度を下回る過酷な環境下でCFRP(炭素繊維強化プラスチック)は構造部材としてどの程度使えるか――。竹中工務店と国立極地研究所は、南極の内陸部にある観測基地「ドームふじ」の近傍に設置する氷床掘削施設の屋根架構の一部にCFRPを採用し、性能を検証する。2021年7月19日、CF…
-
プレサンスが住友不、三井不を抑え初トップ、20年度マンション販売戸数ランキング
2020年度のマンションの販売戸数は、プレサンスコーポレーションが初めて首位に立った。これに住友不動産、三井不動産レジデンシャルが続いた。市場経済研究所の「2022年版 全国住宅・マンション供給調査 企業別ランキング」で明らかになった。
-
大東建託、大和、積水ハウスが不動3強、20年度戸建て・アパート供給戸数ランキング
2020年度の戸建て・アパートの供給戸数は、1位が大東建託、2位が大和ハウス工業、3位が積水ハウスになった。市場経済研究所が21年7月に発行した「2022年版 全国住宅・マンション供給調査 企業別ランキング」で明らかになった。戸建て・アパートは、回答した158社の供給戸数合計は24万8650戸。1…
-
ビル管理技術者の兼任を可能に、厚労省が21年中にも政省令改正へ
厚生労働省は建築物衛生法に基づく建築物環境衛生管理技術者の兼任要件を緩和するため、2021年中に政省令を改正し、22年4月1日の施行を目指す。これまでは原則として兼任を認めていなかったが、ICTの普及や発展を受けて、規制を緩和する。
-
海老名駅改良工事で基礎杭30本の先端不良が発覚、施工は東急建設JV
2021年3月、架設した鉄骨の一部に不具合が見つかって工事を中断していた相鉄線海老名駅改良工事の現場。施工者の東急建設は21年7月26日、基礎杭30本の先端に施工不良があったと発表した。
-
住団連が住宅の浸水対策マニュアルを公開、復旧工事費の目安も提示
住宅生産団体連合会(住団連)は2021年7月26日、「住宅における浸水対策の設計の手引き」を公開した。主な対象は、地上1~3階建ての新築戸建て住宅。設計者が建築主に対して浸水リスクなどを説明し、要望を踏まえて設計目標を設定したり、対策を講じたりするための情報やノウハウをまとめた。
-
更衣室の天井から落下したコンクリートが生徒の頭に直撃、10校で落下の恐れ
大阪市立平野中学校のプール更衣室で2021年7月5日、天井からコンクリート片が落下して生徒1人が負傷する事故が発生した。事故を受けて市内の小・中・高校のプール更衣室の点検を進めていた市教育委員会は21年7月28日、10件の更衣室で天井コンクリートが落下する恐れがあると発表した。
-
新築住宅の省エネ基準、25年度に適合義務化へ 「太陽光」巡って異論噴出
国土交通省と環境省、経済産業省の3省は2021年7月20日、新築住宅と延べ面積300m2未満の新築小規模建築物を対象に、建築物省エネ法に基づく省エネ基準への適合を25年度に義務化するスケジュール案を公表した。50年までのカーボンニュートラル(炭素中立)の実現に向けて省エネ対策の強化が始まる。
-
東京デザインウィーク火災、元学生2人に有罪判決
2016年11月に東京都新宿区の明治神宮外苑で開かれたイベント「東京デザインウィーク」で、ジャングルジム状の木製展示物が燃え、5歳の男児1人が死亡した事故。東京地方裁判所は21年7月13日、日本工業大学の元学生2人に禁錮10月、執行猶予3年の有罪判決を下した。元学生2人は、東京高等裁判所に控訴した…
-
清水建設が巨大な施工現場を集中監視、虎ノ門・麻布台PJにSmartStationを127台投入
清水建設は2021年7月29日、東京都港区で施工中の「虎ノ門・麻布台プロジェクトA街区新築工事」で建設DXを強力に推進する。施工管理のための新端末「SmartStation」を127台配備。端末から集まる現場の情報は、統合監視室「Smart Control Center」で集中管理する。
-
ウッドショック対策、国産材はどこまで梁に使えるか
木材が品不足になり価格が高騰するウッドショックへの対策として、梁(はり)でも国産材を採用する住宅会社が徐々に増えている。実際に構造計算をした事例を基に、国産材を梁に用いるうえでのポイントを探った。
-
ジャンカ防ぐコンクリート打設時の締め固め状況をAI判定、清水建設が開発
コンクリートの表面が石粒状になるジャンカは、粗骨材がモルタルペーストと分離した状態で、強度不足や早期の中性化を引き起こす。原因は、打設作業中の締め固め不足と考えられている。清水建設は、打設時のバイブレーターによる締め固め状況をAI(人工知能)で分析して可視化する「コンクリート締固め管理システム」を…
-
三井ホームの5階建て木造マンション、壁倍率30倍超の耐力壁を導入
三井ホームが東京都稲城市で5階建ての木造マンションを建設している。2021年7月7日、報道陣に建設現場を公開した。高強度の耐力壁を導入し、有効面積を広く確保。遮音性能を高める技術も取り入れて、木造の課題を解消している。
-
直径30mmの金具でガラスの変形抑制、大林組とコクヨが10分間防火設備で大臣認定
大林組とコクヨは、開発した連装ガラスパーティションで10分間防火設備の国土交通大臣認定を取得した。連装タイプのパーティションとしては日本で初めてとなる。10分間防火設備によって、これまでハードルが高かった排煙設備の省略や内装制限の緩和により木質系内装材などが採用しやすくなり、コスト削減とともに設計…
-
台風で浸水した川崎市市民ミュージアム「被災リスクの少ない場所で再建」
2019年10月の台風19号がもたらした内水氾濫で地下の電気設備や収蔵庫が浸水し、約22万9000点の収蔵品が被害を受けた川崎市市民ミュージアム。川崎市文化芸術振興会議は21年7月12日、浸水・土砂災害リスクの少ない場所で再建する必要があると福田紀彦市長に答申した。
-
日本工営グループのBDPが英設計会社を買収、狙うはスタジアム周辺開発
大手建設コンサルタント会社の日本工営は2021年7月2日、英国子会社の大手建築設計事務所BDPホールディングスが英国の建築設計事務所Pattern Designを買収したと発表した。BDPはパターンデザインの株式を100%取得し、完全子会社化した。買収額は約3億円とみられる。