2019年1月8日(米国時間)から米ラスベガスで開幕した「CES」で、出展していない米アップル(Apple)が会場近くに出した広告が話題になっている。CESで音声アシスタントを積極的にアピールする米グーグル(Google)や米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)をけん制する内容だったからだ。
「What happens on your iPhone, stays on your iPhone.(あなたのiPhoneで起こったことは、あなたのiPhoneの中にだけ残る)」。アップルがCES会場であるラスベガス・コンベンション・センター(LVCC)の向かいに立つホテルの壁面に展開した広告には、そう記されている。
「What happens in Vegas, stays in Vegas.(ラスベガスで起きた出来事は、ラスベガスに置いていく)」。ラスベガスには、観光組合が広めたとされる「旅の恥はかき捨て」に相当する有名なキャッチコピーがある。アップルの広告にある文言はそれをもじったものだ。その言わんとするところは「iPhone上のユーザーデータが、他者の手に渡ることはない」といった意味になる。
アップルがこのような広告をCES会場近くに掲出した狙いは明白だ。今年のCESの主役が、ユーザーから様々なデータを収集し、それを使った広告ビジネスなどを展開するグーグルやアマゾンだからだ。
グーグルはCES会場に巨大なパビリオンを設け、音声アシスタント「Googleアシスタント」をアピールしている。パビリオンにはGoogleアシスタントを呼び出すフレーズである「Hey Google」があしらってあるほか、このフレーズはCES会場のLVCCのビルにも大きな広告として掲示されている。