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追われる立場になったChainer

 もっともフェイスブックやグーグルがChainerを追従することが、PFNやChainerにとって必ずしも良いことだとは限らない。これまでChainerでなければできなかったことが、フェイスブックのPyTorchやグーグルのTensorFlowでもできるようになったからだ。「Define-by-Runなら日本のスタートアップが開発したフレームワークではなく、グーグルやフェイスブックが開発したものを使おう」と考えるユーザーが現れてもおかしくない。

 この点について、PFN Americaの久保田氏は「我々としてはChainerをやめるつもりは全く無い。高速化の取り組みなども継続して進めていく」と語る。加えて、「PFNのような研究がメインの企業にとって、自社製の深層学習フレームワークがある意義はとても大きい」とも強調した。

 自社フレームワークがあれば、新しい深層学習の手法を考案した場合に、その機能をすぐに実装できる。しかし他社のフレームワークを使う場合、新しい手法を実現する機能を他社に提案して、採用してもらう必要がある。深層学習は進歩が速い領域であり、研究にはスピードが重要だ。スピードを実現する大きな武器が、自社フレームワークだというのだ。

 Chainerはグーグルやフェイスブックといった巨大企業が開発するフレームワークと、真正面から競合していくことになる。日本発のOSSとして、未知の領域に突入したと言えそうだ。