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 電動スクーターが便利な乗り物であることは間違いない。従来の自転車シェアリングは専用の自転車置き場を使う必要があったが、電動スクーターは道ばたに駐車して構わないためだ。しかし乗り物として見た場合、普及するかどうかは疑問に感じた。記者が乗っても怖かったし、同行した妻にも体験してもらったが「二度と乗りたくない」と言うほど怖かったという。記者も妻も、自転車には普通に乗れる。だが、電動スクーターには不安を感じた。

 コンプライアンス上の問題も気になった。サンノゼで試乗している間、周りで他の利用者を何人も見かけたが、ヘルメットを着用していたのは記者だけだった。利用者は皆、ヘルメットなしで歩道を走っていた。正直、歩道を走りたくなる気持ちはよく分かる。自転車専用レーンを電動スクーターで走るのは、とても怖かったためだ。

ヘルメットなしで歩道を走る利用者
ヘルメットなしで歩道を走る利用者
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歩行者が少ない米国の大都市

 もっともサンノゼの場合、電動スクーターで歩道を走っても、社会的に許されるのではないかという感想も得た。なぜならサンノゼのダウンタウンは、歩行者がそもそも少ないのだ。サンノゼには米アドビシステムズ(Adobe Systems)の本社やサンノゼ・コンベンション・センターなどの施設があるのだが、中心部に大型の商業施設や観光施設がないのだ。複数のデパートに加えて大型ショッピングセンターが中心部にあり、道路を歩行者が埋め尽くしているサンフランシスコとは対照的だ。

 サンフランシスコの市交通当局が電動スクーターのシェアリングサービスに対する規制をすぐに作ったのに対して、サンノゼの市交通当局がそのような動きをしていないのは、電動スクーターが歩行者の妨げになりにくい事情もありそうだ。米国の場合、サンフランシスコのように歩行者が多い都市のほうが少なく、多くの都市で中心部が空洞化している。街の中心部に人を呼び戻す手段として、電動スクーターが受け入れられる可能性はあるかもしれない。