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 食料品などをオンラインで注文し、近くの店舗で商品を受け取るピックアップサービスを巡り、米ウォルマート(Walmart)と米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)が激しく火花を散らしている。2018年8月、ウォルマートはピックアップサービス専用ロボットの導入を、アマゾンはホールフーズ・マーケットでのピックアップサービスの開始を、それぞれ発表した。

 ウォルマートは2018年8月3日、2016年から本格的に始めたピックアップサービスを大幅に拡充すると発表した。目玉は「アルファボット(Alphabot)」というピックアップ専用ロボットの導入だ。

 アルファボットは、商品の入った箱(在庫)と顧客の注文商品を入れる箱をピックアップ担当の店員が待つ場所まで運ぶロボットと、そのロボットが移動する巨大な倉庫システムで構成する。箱から商品を取り出すピックアップ作業そのものは、ロボットではなく店員が担う。店員がピックアップする場所はワークステーションと呼んでいる。

アルファボットの仕組み
アルファボットの仕組み
出所:米アラートイノベーション
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 ロボットは商品の入った箱をワークステーションの右手側のスペースに、顧客の注文商品を入れる箱を左手側のスペースにそれぞれ運んでくるので、店員は右の箱から左の箱へ商品を移し替えるだけだ。顧客の注文商品を入れる箱は、全ての商品がそろうまで何度もワークステーションを巡回する。

ロボットはスタートアップが開発

 アルファボットはスタートアップの米アラートイノベーション(Alert Innovation)がウォルマートのために開発し、ニューハンプシャー州セーラムにある店舗に2018年内に導入する予定だ。ウォルマートはアルファボットの導入で、ピックアップ件数の増加と商品提供時間の短縮を狙う。セーラムの店舗にはピックアップサービスで注文した商品を受け取りに来る顧客専用のドライブスルーレーンも導入する。

ウォルマートが店舗に導入予定のピックアップサービス専用レーン
ウォルマートが店舗に導入予定のピックアップサービス専用レーン
出所:米ウォルマート
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 ウォルマートは既に米国の1800店舗でピックアップサービスを展開し、2018年末までに2200店舗に増やす計画である。同社がピックアップサービスに力を入れるのは、アマゾンに対抗するうえで有効な策と考えているからだ。

 アマゾンは従来、大都市の郊外にロボット完備の大型倉庫を建設し、書籍や家電製品、雑貨などの配送拠点としてきた。しかし郊外の大型倉庫からでは、1~2時間での即時配達はもちろん、食料品の当日配達も難しい。ここがアマゾンの弱点と考え、顧客の近所にある実店舗をEC拠点に活用。注文当日に顧客が実店舗を訪れるだけで、店に入って選ばなくても必要な商品を入手できるようにしたのがウォルマートのピックアップサービスだった。