全7512文字
PR
(写真:伊藤朝輝、以下同じ)
(写真:伊藤朝輝、以下同じ)
[画像のクリックで拡大表示]

 「Macの中で最もコストパフォーマンスの高いのはどれ?」と聞かれたら、筆者は間違いなくiMacと答える。実際に筆者は、米Apple(アップル)のディスプレー一体型デスクトップパソコン「iMac 5K」の2017年モデルを、かれこれ3年愛用し続けている。

 そのiMac 5Kの新モデルが2020年8月4日に登場した。じっくり試用できたので、2017年モデルとの比較も交えて紹介しよう。

2020年モデルは「インテルiMac」の最終進化型

 iMacはディスプレーと本体が一体になっているため、一般的なデスクトップ型PCのようにディスプレーと本体をつなぐケーブルがなく、電源ケーブル1本で済むため、机の上にすっきりと置くことができるのが特徴。もちろんWi-Fiも標準装備で、ワイヤレスのキーボードとマウスも付属するので、初めに接続するものは電源ケーブルだけだ。

標準構成ではワイヤレスの「Magic Keyboard」と「Magic Mouse 2」が付属。筆者はトラックパッド(タッチパッド)のほうが使いやすいので、今回は自前のものを接続して試用した
標準構成ではワイヤレスの「Magic Keyboard」と「Magic Mouse 2」が付属。筆者はトラックパッド(タッチパッド)のほうが使いやすいので、今回は自前のものを接続して試用した
[画像のクリックで拡大表示]

 iMacが現在のデザインになったのは2012年で、以後は同じきょう体が採用されている。同じデザインを何世代も使い続けるのはアップルの伝統だが、8年というのは旧「MacBook Air」と並ぶ最長の部類だ。

 iMacには搭載するディスプレーのサイズが21.5型と27型と異なる2つのラインアップがある。現在はそれぞれが下位、中位、上位の3モデルで構成されている。21.5型の中位と上位は解像度が4096×2304ピクセルの4Kディスプレーを搭載しているが、下位モデルは1920×1080ピクセルのHDディスプレーである点に注意したい。27型は全て解像度5120×2880ピクセルの5Kディスプレーを搭載している。4Kディスプレー搭載モデルと5Kディスプレー搭載モデルは、それぞれ「iMac 4K」「iMac 5K」と呼ばれることもある。今回筆者が試用するのはiMac 5Kの上位モデルだ。大まかなスペックは下記の通り。

・プロセッサー:3.8GHz 8コア第10世代Intel Core i7(Turbo Boost使用時最大5.0GHz)
・メモリー:8GB(2666MHz DDR4)
・ストレージ:512GB SSD
・グラフィック:Radeon Pro 5500 XT(8GB GDDR6メモリー搭載)
・ディスプレー:27型(解像度5120×2880ピクセル)

 このスペックの製品が24万9800円(税別)で購入できるのだから、MacBookシリーズと比較するとコストパフォーマンスが高いことが分かるだろう。

Windowsがネイティブ環境で快適動作

 2020年6月に開かれたアップルの開発者イベント「WWDC 2020(WWDC20)」で、Macに採用するCPUを米Intel(インテル)製から英Arm(アーム)ベースの自社製プロセッサー「Apple Silicon」に移行することが表明されたが、今回のiMac 5Kはインテル製プロセッサーを搭載。恐らくこれが「インテルiMac」の最終モデルではないかといわれている。

 そのため、MacでWindowsをネイティブ動作させる「Boot Camp」という仕組みがこれまで通り問題なく動作する。仮想環境とは異なり、ハードウエアのスペックをそのまま生かせるのが特徴だ。

「iMac 5K」の2020年モデルはインテル製プロセッサー搭載なので、標準の「Boot Camp」を使用してWindowsをネイティブ動作させられる
「iMac 5K」の2020年モデルはインテル製プロセッサー搭載なので、標準の「Boot Camp」を使用してWindowsをネイティブ動作させられる
[画像のクリックで拡大表示]

 Apple Silicon搭載MacではBoot Campをサポートしないことが表明されており、今回のモデルがBoot Campをサポートする最後のiMacとなる可能性は高い。

 Boot Campで使用するWindowsは別途用意する必要はあるが、Mac標準の「Boot Campアシスタント」を使って、Windowsのインストールから環境構築(ドライバーなどのインストール)を簡単に行える。環境を作成した後は、再起動によってmacOSとWindowsを切り替えて使えるようになる。

 今回は、Windows 10のディスクイメージを米Microsoft(マイクロソフト)のWebサイトからダウンロードするところから始めて、1時間程度で完了した。

 筆者のこれまでの経験では、ここまでスムーズにインストールできたのは初めてのこと。これまでは大なり小なり発生するトラブルを対処した後に完了することが多かったのだ。ようやく完成の域に達したBoot CampがApple Silicon搭載Macではサポートされなくなるのは少し残念である。

Boot Campを使ってiMac 5K 2020年モデルにインストールしたWindows 10で計測した「Windowsエクスペリエンスインデックス」値。仮想環境ではここまでの値は出ない
Boot Campを使ってiMac 5K 2020年モデルにインストールしたWindows 10で計測した「Windowsエクスペリエンスインデックス」値。仮想環境ではここまでの値は出ない
[画像のクリックで拡大表示]