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2020年の自動運転車のシステム構成は

自動運転車には多数のセンサーやカメラ、半導体が搭載されます。システム構成はどのようなものになるのでしょうか。

杉本:2020年の自動運転車のシステムには、外界認識のためのカメラが2台、レーダーなどのセンサーが合計5台搭載されることを想定しています。自車位置の認識には、マルチGNSS(全球測位衛星システム)、地図ECU(電子制御ユニット)などが必要です。さらにドライバーの状態検知にも、車内カメラ、(ハンドルを握っているかどうかを検知する)把持センサー、操舵トルク感知センサーが使われます。ドライバーが自動運転の状態を確認したり、コントロールしたりするための「HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)」として薄型ディスプレーなども搭載されます。

当面は、完全自動運転ではなく、部分自動運転のクルマが中心になります。高速道路は自動運転で、一般道では人間が運転するようなケースが増えそうです。運転の切り替えは難しくないのでしょうか。

杉本:政府の「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)」の一環で自動運転車の実験があり、2017年秋に首都高を走行しました。ゲートをくぐって本線に合流し、高速道路を自動走行し、もし前方にスピードが遅いクルマがいれば、車線変更して追い越しもしました。

 (機械から人間への)運転交替の考え方はこうなっています。運転の引き継ぎが必要になった際は、薄型ディスプレーにまず表示する。それでも運転の交替がなされなければ、音声でアラートを出します。視覚、聴覚、触覚へと段階的にだんだん強い警報を与えて、ドライバーに交替を促すのです。

 ドライバーが急病になった場合にクルマを安全に停車させる、「システムフェール」という強い警報もあります。どんな時でもそれらの機能を実行するために、我々は「冗長性」を大事にしています。冗長性とは、あるシステムに何か問題が起きても、別のシステムでカバーする仕組みのことを指します。

自動運転を実現するカギは何になるのでしょうか?

杉本:2020年以降の一般道での自動運転では、複雑なシーンを想定しなければいけません。例えば、路肩に子供がいる場合、反対側にいる友達のところに行こうと飛び出してくるかもしれない。さらに他のクルマが今後どう動くかも適切に予測して、自分のクルマのふるまいを決める必要があります。

 クルマの「認識」性能を高めるには、AI(人工知能)の技術が不可欠です。ディープラーニング(深層学習)を使って、路肩に線がきちんと引かれていなくても、道路領域を認識する。雨が降っていても交差点での停止位置を認識し、歩行者の体の向きも検知することも求められるでしょう。