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「ターンスタイル」機能で画面表示を切り替え

 動画コンテンツは映画の時代から横型で作られている。しかしスマートフォンに関しては縦に構えて利用することが多い。動画もそのまま縦の状態で見ることがある。その際、一般的な動画配信サービスでは横型表示を前提に制作された映像がスマートフォンの上側に小さく表示される。

 しかしQuibiは違う。画面(端末)を横もしくは縦に構えることにより、例えば動画作品中の風景全体を見渡せるように表示したり、登場人物にフォーカスしたりできる。常にフルスクリーンで視聴できるため、没入感が強い。

横に構えて視聴すると風景全体を見渡せる
横に構えて視聴すると風景全体を見渡せる
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縦に構えることで人物に寄ることができる
縦に構えることで人物に寄ることができる
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 この仕組みを生かすため、コンテンツはすべてオリジナル作品だ。CES 2020の基調講演ではクリエーターも登壇し、ホラー動画が披露された。見知らぬ人物から電話が掛かってくるシーンでは、縦型表示にすると画面いっぱいに通話の着信画面が表示され、まるで自分に電話が掛かってきたかのように錯覚するほどだった。

 新たなプラットフォームは、クリエーティブの可能性も広げていく。「タッチスクリーンやカメラ、GPS、ジャイロスコープなども活用できるだろう」との話も挙がった。

 すべて10分以内の短編映画であることも特徴だ。創設者のカッツェンバーグ氏によると「小説における章で分けるイメージ」だという。テレビ番組もCMを挿入することを前提に作られている。スマートフォンによって屋外で映画やドラマを視聴する場合は中断しながら見ることが多いが、「章」ごとの10分程度の動画であれば空いた時間に全部見ることもできそうだ。