これから春にかけて、旅行や子どもの卒業・入学など、長時間の動画を撮影する機会が増える。しかしスマートフォンやデジタルカメラでの動画撮影に不便さを感じている人は少なくないだろう。
その筆頭格はバッテリー消費が大きい点だ。例えば筆者が所持しているスマートフォン「motorola edge 20」(Motorola Mobility)で動画撮影をすると、5分程度の短い動画でもバッテリーを1~2%も消費してしまう。コンパクトデジタルカメラやアクションカメラでも、動画撮影では60~120分程度しかバッテリーが持たない機種が多い。
手ぶれの問題もある。最近のスマートフォンやデジタルカメラの多くは手ぶれ補正機能を備えているが、それでも手ぶれは発生してしまう。状況によっては三脚で固定したほうがきれいな動画を撮影できる。三脚があれば1人でも自撮りしやすい。しかしモバイルバッテリーだけならまだしも三脚も合わせて持ち運んだり、撮影のたびに設置したりするのは面倒だ。
この悩みを抱えながらECサイトを巡回していたところ、画期的な製品を発見した。それが三脚として利用できるモバイルバッテリー「Ulanzi BG-3」(中国ULANZI)である。上部に三脚と同じ規格のねじ(1/4インチねじ)を備えており、スマートフォンやデジタルカメラなどを取り付けられる。また下部には同じ規格のねじ穴があり、付属する折りたたみ式の脚を取り付けて三脚として利用できる。筆者の要望を満たす風変わりなモバイルバッテリーを早速購入したので、ここでは使い勝手などをレビューしたい。
表裏に2つのUSB端子を配置
BG-3の本体サイズは直径33mm、長さ193mmと細長い(実測値、突起物を除く)。付属の折りたたみ式の脚を取り付けると長さは280mmとなるが、A4サイズの長辺よりは短いため、ビジネスバックにも収納しやすい。重量は270gで、付属の折りたたみ式の脚を取り付けると317gとなる(実測値)。バッテリーの公称容量は10000mAhだ。
本体上部には、USB Type-AとUSB Type-Cの2つのUSB端子を備える。USB Type-Aは出力、USB Type-Cは入出力に対応しており、2つの機器を同時充電できる。USB Type-C端子はUSB PDに対応し、最大18Wで急速充電可能だ。USB PDに対応するスマートフォンやデジタルカメラも充電しやすい。バッテリー残量はUSB Type-C端⼦上部にある4つのLEDの点灯数で把握できる。LEDは派手に光らないが、動画撮影に支障が出ない明るさを感じた。ただスマートフォンやカメラをUSB端子に接続しないとLEDが点灯しない。未使用時はバッテリー残量が分かりづらいのは不満だ。
BG-3を充電するには、USB Type-C端子にUSB充電器を接続する。USB充電器は別売りだが、USB Type-AからUSB Type-Cのケーブルが付属し、スマートフォンやデジタルカメラ、パソコン、タブレットなどのUSB充電器が使えるので困らないだろう。またモバイルバッテリーを充電しているときも、USB Type-A端子を使ってスマートフォンやアクションカメラへの給電は可能だった。