実際に使ってみると、2つのUSB端子が表と裏に配置されているので、お互いに挿したコネクターが干渉しない。スマートフォンやアクションカメラを充電しながら撮影しつつ、裏側のUSB端子で撮影用のライトを給電するときに便利だ。
本体はシリコンゴムとみられる素材で覆っており、握ったときに滑り止めとして機能する。自撮り棒として使うときは、指が滑ることがなく持ちやすい。一方、三脚として利用する場合は、スマートフォンやアクションカメラ、コンパクトカメラなど小さいものを固定するにはちょうどよい大きさである。また重量があるので、床に設置すると安定する。ちょっとした風や振動ではびくともしなかった。
L字ケーブルがあると便利
ここまで主にメリットを挙げたが、使ってみてデメリットだと感じる部分もあった。まず公称容量10000mAhのモバイルバッテリーとしては重いと感じた。10000mAh程度のモバイルバッテリーの重量は200g前後であることが多いためだ。また実際使ってみると、挿し込んだケーブルが本体から垂直に出てしまう。このためケーブルがかなり邪魔だと感じた。L字型のケーブルを用意するなどの工夫が必要だろう。
三脚として利用する場合は、長さや角度、傾きを変えられないのは不便と感じる。アクションカメラの場合は、付属アクセサリーで傾きを調節できるので使い勝手はよいが、スマートフォンやデジタルカメラでも傾きなどを調整できるアクセサリーを別途用意すると、より撮影の可能性が広がるのではないか。またミラーレスカメラなど重いデバイスを固定すると、設置が不安定になることもあった。
実際にBG-3とアクションカメラ「Insta360 ONE R」(中国Shenzhen Arashi Vision)を接続し、どれだけ動画撮影の時間が延びるかを測定してみた。解像度5760×2880(30枚/秒)の360度周囲を記録する全天球撮影をした場合、付属バッテリーでは約1時間しか撮影できない。一方、BG-3に接続して給電しながら撮影すると、約6時間まで撮影時間を延ばせた。
BG-3を使うと、動画の撮影時間が大幅に延びる。筆者は動画の撮影時にバッテリーの減りを気にすることがなくなった。とりあえず動画をいろいろと撮影しておき、後で気に入ったシーンを選別するような使い方もできるようになった。旅行での行動をすべて動画に収めたり、散歩や会話など日常的な記録を撮ったりしやすい。また三脚を利用できるのは便利だ。一人旅行でも三脚を使って風景や観光地で記念撮影がしやすい。録画デバイスを駆使する人ならば、購入して損はない製品だと感じた。
フリーランスライター