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 米アップル(Apple)は1年に1度、パソコンOS「macOS」をメジャーアップデートしている。しかしアプリケーションの互換性の問題などから旧バージョンのmacOSを使いたい場合もある。ここでは、旧バージョンのmacOSの入手方法とインストール方法を紹介しよう。

旧バージョンのmacOSを使う理由

 はじめに、2015年以降にリリースされたmacOSのメジャーバージョンを挙げておく。

  • 2015年 OS X 10.11 El Capitan
  • 2016年 macOS 10.12 Sierra
  • 2017年 macOS 10.13 High Sierra
  • 2018年 macOS 10.14 Mojave
  • 2019年 macOS 10.15 Catalina

 バージョンを示す数字の後にカリフォルニア州の地名が付けられている。macOSのメジャーバージョンは最新版なら「Catalina」というように地名の部分だけで呼ぶことが多い。ここでもそれにならう。

 macOSはメジャーアップデートかマイナーアップデートかにかかわらず、不具合の改修やプライバシー・セキュリティー強化などがされている場合が多い。原則として最新版のmacOSを利用したほうがよい。

 しかしアプリの互換性などの問題で、すぐには最新版のメジャーアップデートを適用できない場合もあるだろう。例えば32ビットアプリが動作するのはMojaveまでだ。最新版のCatalinaは32ビットアプリをサポートしておらず動作しない。

 旧バージョンのmacOSを使いたいケースは他にもある。Catalinaでは音楽再生やiOS端末の管理を担っていた「iTunes」アプリが無くなり、iTunesの機能ごとに独立したアプリにした。このようにアップデートの変化が大きいと、ユーザーによっては「前のバージョンのほうが使いやすかった」と感じるだろう。

 macOSは比較的古い機種もサポートすることが特徴だ。しかし古い機種に最新のmacOSをインストールしてみたら動作が重いこともある。

 いずれの場合も、macOSのアップデート前にバックアップを取ってあれば比較的楽に元に戻せる。しかしバックアップが無い場合は、macOSを再インストールしなければならない。その場合、任意のバージョンのmacOSをインストールする方法を知っておくと便利だ。

最新版へのアップデートは「システム環境設定」の「ソフトウェア・アップデート」から行う。ただし簡単に元に戻す方法は提供されていないので注意が必要だ
最新版へのアップデートは「システム環境設定」の「ソフトウェア・アップデート」から行う。ただし簡単に元に戻す方法は提供されていないので注意が必要だ
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通常の方法ではmacOSの最新版しか表示されず、MojaveやHigh Sierraなどの旧バージョンにはアップデートできない。図はSierraからアップデートする場合の例。最新版のCatalinaしか表示されない
通常の方法ではmacOSの最新版しか表示されず、MojaveやHigh Sierraなどの旧バージョンにはアップデートできない。図はSierraからアップデートする場合の例。最新版のCatalinaしか表示されない
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