全2957文字
PR

箱はギターアンプと同じつくり

 約4キロあるINDIOに限らず、フェンダーのBluetoothスピーカーはどれも重い。MONTEREYは約6.8キロ、最も小さいNEWPORTでも約1.5キロある。なぜここまで重いのか。

 理由は、スピーカーの箱に当たる「キャビネット」にある。ここに、木材が原料の成型板であるMDF(medium density fiberboard)を使っている。国内の代理店を通じて米フェンダー(Fender Musical Instruments Corporation)に問い合わせたところ、同社のBluetoothスピーカーはいずれも、ギターアンプの製作チームが開発やチューニングを行っていて、キャビネットには同社のギターアンプと同じMDFを使っている。

 つまり、「箱」の部分はフェンダーのギターアンプそのものに極めて近いわけだ。実際、同社のBluetoothスピーカーで音楽を聴くと、中音域の音抜けがいい。いわゆる、フェンダーっぽい音を感じさせてくれる。材料やつくりがフェンダーのギターアンプと同じだからかもしれない。

キャビネットは、ギターアンプと同じMDF製
キャビネットは、ギターアンプと同じMDF製
(出所:フェンダー)
[画像のクリックで拡大表示]
工場に積み上げられたキャビネット
工場に積み上げられたキャビネット
(出所:フェンダー)
[画像のクリックで拡大表示]

奥行きのあるサウンドとアナログな操作感が特徴

 使ってみると、オーディオメーカーではなく楽器メーカーが作ったと感じさせる魅力が数多くある。トグルスイッチをパチンと倒して電源を入れると、ジュエルランプの奥底がボワっと赤くともり、ギターの音がシャラーンと鳴って雰囲気を高めてくれる。

トグルスイッチを倒して電源を入れると、ジュエルランプが光る。起動音やペアリング音としてギターの音が流れ、気分を高めてくれる
トグルスイッチを倒して電源を入れると、ジュエルランプが光る。起動音やペアリング音としてギターの音が流れ、気分を高めてくれる
[画像のクリックで拡大表示]

 スマホと接続していろいろな楽曲を聴いてみた。INDIOは内部にウーファー(低音用スピーカー)とツイーター(高音用スピーカー)をそれぞれ2発搭載し、重量感のある音がする。Bluetoothスピーカーにありがちなクリアだけれど平板な音ではなく、昔ながらのオーディオ機器らしい奥行き感やスピーカーらしい箱鳴り感がある。

 同じ楽曲で、MONTEREYとINDIOで聴き比べてみた。奥行き感はどちらからも受けるが、MONTEREYとNEWPORTは乾いたパリっとした音なのに対し、INDIOは傾向は似ているものの、ややウェットで中音から低音が強めといった印象だった。どちらかといえば、古いロックやソウルミュージックよりも、1980年代半ばから最近の音源の方がINDIOには合うように感じた。

 ボリュームやトレブル、ベースの操作がアナログなのも、フェンダーらしく好印象だろう。Bluetoothスピーカーはボタンを押してボリューム操作をする製品が多いが、それに比べて細かい調節ができるし、何より音楽を聴いているという気分が高まる。

 Bluetoothスピーカーは数多くのメーカーから、さまざまな製品が発売されている。中でも3万~4万円台は個性的な製品がひしめく激戦区。多様なデザインや音つくりのスピーカーが店頭に並ぶ。そんな中、フェンダーのINDIOは外観はもちろんだが、キャビネットまで同社のギターアンプと同じように作られているところが大きな特徴だ。音質も良好で、Bluetoothスピーカーとしての操作性も良い。見た目が好きで購入しても、音を目当てにして選んでも、満足度が高い製品といえるだろう。

湯浅 英夫
ライター
元ジャズミュージシャンのライター。PC、スマホ、ネットサービスなどIT関連を中心に執筆しつつ、たまにウッドベースやエレキベースを弾いている。音楽の守備範囲はジャズから古いソウル、ロック、AOR、MPBまで雑食。ジャズと楽器には少しうるさい。