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Googleアプリは使えないがWebブラウザーで代替可能

 Fireタブレットが搭載するOSはアマゾン・ドット・コムが開発した「Fire OS」である。このOSは米Google(グーグル)が開発するAndroidをベースにしているため、基本的なUI(ユーザーインターフェース)はAndroidに近い。Androidを搭載するスマートフォンやタブレットを使ったことがあれば、すんなり使いこなせるはずだ。

 Fire OSは「Kindle」「Amazon Music」「Alexa」など、アマゾン・ドット・コムの各種サービスが利用しやすいように設定されている。ロック解除後のホーム画面は「おすすめ」「ホーム」「ライブラリ」の3つで構成される。ユーザーの利用履歴に基づいてお薦めのアプリやコンテンツが画面表示されるのに加え、ユーザーは購入したコンテンツを素早く利用できる。

Fireタブレットのホーム画面。左右にスワイプして3つの画面を切り替えられる
Fireタブレットのホーム画面。左右にスワイプして3つの画面を切り替えられる
(出所:筆者キャプチャー)
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 Androidタブレットとの大きな違いは、アプリの入手方法だ。Fireタブレットではアマゾン・ドット・コム独自の「Amazonアプリストア」でアプリを購入する。Androidタブレットには「Gmail」「Googleマップ」「YouTube」といったアプリがプリインストールされていることが多いが、Fire OSにはこれらのアプリはプリインストールされていない。しかもAmazonアプリストアで配信されておらず追加もできない。Googleのサービスをアプリで利用したい人にはデメリットになる可能性がある。注意が必要だ。

 しかしアプリが配信されていないからGoogleのサービスを利用できないというわけではない。Webブラウザーを使ってGoogleのサービスにアクセスできる。つまり、パソコンでGoogleのサービスを利用する場合と同じ感覚で利用は可能だ。筆者も初めは戸惑ったが、使ってみると意外に不便を感じなかった。

普段使いに必要なアプリはそろう

 Amazonアプリストアから入手できるアプリの数は、正確に調べたわけではないが、Googleの「Google Playストア」や米Apple(アップル)の「App Store」より少ない印象だ。しかし多くのユーザーが使うであろう定番アプリはそろっていて、思っていたよりもアプリ数は多いと感じた。

 例えば「Facebook」「Instagram」「Twitter」などの定番SNS(交流サイト)アプリはインストールできる。「TikTok」や「Pinterest」も利用可能だ。動画配信アプリは「ABEMA」「Amazon Prime Video」「Disney+」「Hulu」「Netflix」「U-NEXT」などを利用できる。音楽配信アプリは「Amazon Music」に加えて「Spotify」もある。「Zoom」でオンラインミーティングをしたり、米Microsoft(マイクロソフト)のOfficeアプリでビジネス書類を作成・共有したりすることも可能だ。

 ただし筆者がよく使うアプリの中では「TVer」や「あすけん」が配信されていなかった。ゲームタイトルもGoogle PlayストアやApp Storeと比べると少なく感じる。また企業が顧客をサポートするために提供するアプリもGoogle PlayストアとApp Storeへの対応のみでAmazonアプリストアには対応していないケースが多い。そうしたアプリはスマートフォンで事足りるが、どうしてもタブレットで使いたいアプリがある場合は事前に確認しておくといいだろう。