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競い合わない緩さも魅力

 撮影した写真は「ロール」というDispoの共有アルバムに投稿できる。ロールの存在こそが、他の写真共有SNSと異なるポイントだ。

 ロールとは、それに招待されたメンバーだけが投稿できるアルバムで、テーマが設定されていることが多い。例えば「Numbers」というロールに、メンバーが数字の入っている写真を投稿していくという具合だ。

 「Green」「Yellow」「Any Animal Pics」など、様々なロールがユーザーによって作られている。ロールに投稿するにはメンバーからの招待が必要だが、閲覧やいいね、コメントをするだけならフォローすればよい。ロールは誰でも作成でき、ユーザーを招待することができる。公開範囲を限定することも可能だ。

Dispoのロールにはメンバーが投稿した写真が集まる
Dispoのロールにはメンバーが投稿した写真が集まる
(出所:筆者)
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 多くのSNSにおいて、プロフィル画面にはその人の投稿が大きく表示され、自分の魅力をアピールする場となる。フォロワー数が多いことが自分への評価にもつながる。しかしDispoのプロフィル画面では、本人の投稿よりも参加しているロールの一覧が大きく表示される。ロールでつながればフォローすら必要ない。Dispoは人物よりもコンテンツを重視しているのだ。

 ロールには「スコアボード」があり、ユーザーの投稿数やいいね数などがランキング表示される。しかしそれはロール内での単なるゲームのようなものだ。ロールのメンバーは最大69人に制限されているため、Dispo全体で影響力を持つような巨大なロールが出来上がることはない。

 そのためユーザーは競い合う必要がなく、興味や関心でつながったユーザーとロールを作り上げていくことを楽しめる。

プロフィルには、自分がフォローしているか、参加している共有アルバムの「ロール」が並ぶ
プロフィルには、自分がフォローしているか、参加している共有アルバムの「ロール」が並ぶ
(出所:筆者)
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 筆者はベータ版からDispoを使っており、とても気に入っている。撮影テクニックや加工の腕も不問で、時間感覚ものんびりしているところがよい。

 DispoにはSNSの新潮流を感じた。2021年1月下旬から急激に利用者を増やしたClubhouseにも言えることだが、両者とも単機能で勝負している。加工や編集で取り繕わずに「リアル」をシェアすることが共感を呼ぶ時代が到来した。

鈴木 朋子(すずき ともこ)
ITライター・スマホ安全アドバイザー
ITライター・スマホ安全アドバイザー。ソフトウエア開発会社のSEを経てフリーランスに。SNSやアプリなどスマートフォンを主軸にしたサービスを行っており、書籍や雑誌、Webに多くの記事を執筆。スマホネイティブと呼ばれる10代のIT文化に詳しい。All About(オールアバウト)iPhone・SNSガイドも務める。著作は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など20冊以上。