PR
全5825文字

鑑賞者の体験づくりは振付家の仕事

 初日の体験会が全て終了した後、来場していたジョバン氏によるトークショーが開催された。ゲストは、日本を代表する演出振付家のMIKIKO氏。女性歌手グループ「Perfume(パフューム)」の振り付けやライブ演出を手掛けていることなどで知られる。

イベント初日の終了後に開かれたトークショー。右の男性がジル・ジョバン氏。左の女性がゲストのMIKIKO氏。共に著名な振付家だ
イベント初日の終了後に開かれたトークショー。右の男性がジル・ジョバン氏。左の女性がゲストのMIKIKO氏。共に著名な振付家だ
[画像のクリックで拡大表示]

 共に著名な振付家であり、最新ITによる新しい身体表現に定評がある2人のやり取りは、とても面白かった。話題のポイントは、ステージで踊る人(演者)と鑑賞者(観客)の関係だった。

 ジョバン氏とMIKIKO氏はどちらも、演者と観客の在り方を変える試みにチャレンジしている。具体的には、ダンサーと観客の間に必ずある「ステージ」という境界線をなくし、「観客自身が演者の1人になり、一緒に踊るなどして作品の一部になれないか」というテーマに取り組んできた経験がある。

 ジョバン氏にとってVR_Iは、まさにそうした挑戦の1つなのだ。同様に、MIKIKO氏も過去に、本物のダンサーとバーチャルなダンサー、そして観客が同時にステージで動き回る公演「border(ボーダー)」を成功させた実績がある(Rhizomatiks Researchなどとの共同作品)。