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 Z 9の記録媒体はXQDメモリーカードかCFexpressカード(Type-B)のいずれかを利用できる。カードスロットは2個備えており、カードを2枚用意して一方にRAWデータ、もう一方にJPEGデータを記録することが可能だ。2枚に同じデータを保存するバックアップ書き込みなどにも対応している。

 ニコンは毎秒20枚の連写や8.3K・毎秒60フレームの動画撮影について高速なCFexpressカードの利用を推奨している。書き込み速度の公表値が毎秒1.1GBのCFexpressカードを通販サイトで購入し、秒間20枚のRAW撮影を試したところ、10秒から15秒程度は連写できた。その後は本体のバッファーメモリーがいっぱいになったのか、連写速度が低下し、数秒待たないと連写速度が元に戻らなかった。

 そこで、ニコンが推奨しているCFexpressカード「ProGrade Digital COBALT 1700R 650GB」も購入し、同じように連写を試してみた。すると、秒間20枚連写を維持できる時間が20秒程度に延びた。また、バッファーメモリーがたまると連写速度がわずかに低下するものの、その後も高速連写を続けることができた。

 ただしRAWデータかつ一番画質が良い設定で撮影した場合、1枚あたりのファイルサイズが55MB前後に達する。画質はそのままでデータサイズを圧縮する設定にしても、1枚あたり30~35MB程度となる。1回の撮影につき2000枚以上撮影するなら、最低でも128GB以上のCFexpressカードが欲しいところだ。

記録媒体はXQDメモリーカードかCFexpressカードを利用する。SDカードに比べて高価だが、書き込み速度を考慮するとCFexpressカードの利用が現実的だろう
記録媒体はXQDメモリーカードかCFexpressカードを利用する。SDカードに比べて高価だが、書き込み速度を考慮するとCFexpressカードの利用が現実的だろう
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 Z 9は電子ファインダーを備えており、一眼レフカメラのようにファインダーをのぞき込んで撮影する。電子ファインダー内の映像は解像度が高く、きめ細かい。連写時でもほぼ止まることなく滑らかに動く。また、最新のファームウエアで高フレームレート(毎秒120枚)の表示に対応し、さらに滑らかに描画されるようになった。使い勝手は光学ファインダーと比べて全く遜色ないと言っていい。同社のZ 6IIの電子ファインダーもかなり良かったが、それ以上だった。

 本体のバッテリーの持ちも良い。サーキットで2時間使ってみたが、バッテリーゲージが1つ減る程度だった。半日程度の撮影であれば予備のバッテリーは必要ないだろう。カメラのUSB Type-C端子は充電端子を兼ねており、モバイルバッテリーから充電できるのは心強い。付属のバッテリー充電器は小型で、出先や旅行に持ち運びやすいのも美点だ。

マイク入力、ヘッドホン出力、有線LAN、HDMI出力、USB Type-C端子などを備える。USB Type-C端子は充電端子を兼ねており、USB充電器やモバイルバッテリーで充電できるのは便利。有線LANは撮影した写真のアップロードなどに利用できる
マイク入力、ヘッドホン出力、有線LAN、HDMI出力、USB Type-C端子などを備える。USB Type-C端子は充電端子を兼ねており、USB充電器やモバイルバッテリーで充電できるのは便利。有線LANは撮影した写真のアップロードなどに利用できる
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