新型コロナウイルス感染拡大傾向が弱まったとはいえ、東京のような都市部ではしばらく在宅勤務が続く人も多いだろう。しかし、自宅ではオフィスほどPC環境が充実しておらず、今ひとつ仕事がはかどらないと感じる人もいるかもしれない。
そうした人たちにお勧めしたいのが、タブレットやスマートフォン(スマホ)を利用したお手軽なマルチディスプレー環境の構築だ。例えば自宅では画面の小さなノートPCで作業している場合、ノートのディスプレーでのデスクトップ画面に加えて、スマホやタブレットのディスプレーもデスクトップ画面として使うと、作業効率は飛躍的に向上するはずだ。
仕事の効率を飛躍的に高めるマルチディスプレー
マルチディスプレーとは、複数のディスプレーをPCに接続し、それぞれにデスクトップ画面を表示する使い方だ。ディスプレー2台の構成をデュアルディスプレー、3台だとトリプルディスプレーと呼ぶこともある。
Windows 10では、すべてのディスプレーに同じデスクトップ画面を表示する「複製」機能と、ディスプレーごとに別のデスクトップ画面を表示する「拡張」機能が利用できる。このうち、作業効率の向上に役立つのは拡張機能である。
拡張機能では、接続するディスプレーの分だけデスクトップ画面が増える。同じ画面サイズのディスプレーの組み合わせなら、デュアルディスプレーでは表示できる情報量が2倍になる。トリプルディスプレーなら3倍だ。
特に、画面サイズが小さいモバイルノートPCだと、同時に見られるデスクトップ画面の数が利便性の向上に直結する。
画面サイズ10~13型クラスのモバイルノートPCで、複数のウインドウをデスクトップ画面上で並べて使うのは正直難しい。基本的には1つのアプリケーションをフルスクリーンで表示し、ほかのアプリケーションを呼び出すときはタスクバーから切り替える使い方になるだろう。1台でもディスプレーを追加できるなら、こうした作業環境は大きく変わる。
ただし、単体の液晶ディスプレーを設置するにはそれなりの場所が必要になる。1万~2万円で購入できる22~24型クラスのディスプレーは、幅50センチ前後、奥行きは20~30センチのスペースが必要だ。自宅にも仕事用の書斎があるならともかく、リビングの一部を「間借り」するような在宅勤務だと常設は難しいかもしれない。
そこで今回は、タブレットやスマホのディスプレーにデスクトップ画面を映す方法を紹介する。最近はスマホも5~6インチサイズが主流となり、メールソフトやメッセンジャーを表示させておくくらいは使える。8~10インチのタブレットなら、ExcelやPDFの資料を表示するにも十分なサイズだ。