スマホやタブレットは、バッテリーを内蔵しているので電源ケーブル無しに動作させられるし、使わないときに片付けるのも簡単だ。表示できる情報量は22~24型の単体液晶ディスプレーに劣るものの、常設ではない業務スペースで作業効率を高められるメリットは大きく、導入する価値は十分にある。
ちなみにPCが2台あるなら、片方のPCのディスプレーだけをLAN経由でデスクトップ画面として使う「ディスプレイの接続」機能が使えることもある。画面伝送技術「Miracast」を使った機能であり、ここ数年のノートPCなら利用できる製品も多い。今回は設置の余裕がない場所でのマルチディスプレーがテーマなので、ノートPCを横に2台並べて使うのはあまり現実的ではないと考えて、説明は割愛した。
また今回は紹介しないが、8~15型のサブディスプレー(モバイルディスプレー)といった製品も販売されている。アナログRGBやHDMIだけでなくUSBで接続できるタイプもある。大きなディスプレーは置けないが、スマホやタブレットもPCと同時に使う場合は、購入を検討してもいいだろう。
ワイヤレスで設置自由度の高い「spacedesk」
まず、無料で利用できる「spacedesk」(独ダトロニックソフト、datronicsoft)を紹介する。AndroidとiOSに対応している。PCとスマホ、タブレットを無線LANで接続するため、設置場所の自由度が高いことが特徴だ。
ここでは、8型ディスプレーのタブレット「TAB4 8 Plus」(レノボ・ジャパン)と、7.9型ディスプレーのタブレット「iPad mini(第2世代)」(アップル)、4.7型ディスプレーの「iPhone 8」(同)を使って、導入方法や使い勝手を検証した。
まずはモバイルデバイスのアプリストアで「spacedesk」を検索し、インストールする。さらにPCには、spacedeskのWebサイトからPC向けアプリをダウンロードしてインストールしよう。PC向けアプリを起動すると、モバイルデバイス側からのアクセスを待機する「待ち受け状態」になる。
この状態でモバイルデバイス側にインストールしたspacedeskを起動すると、spacedeskを起動中のPCを無線LAN経由で検索し、PC名をアプリの画面上に表示する。
PC名をタップすると、最適な解像度やマルチディスプレーを自動で設定し、各モバイルデバイスが追加デスクトップ画面として利用できるようになる。