アイデアをメモするとき、あなたは何に書き込むだろうか。PCやスマートフォンなどのデジタルツールを使うより、紙に手書きをした方がはかどるシーンもある。
文字ではない情報を書き加えるときが特にそうだ。メモした項目を丸で囲んだり項目同士を矢印で結んだりするとき、手書きなら早い。ちょっとしたスケッチを描く、マトリックス形式やマインドマップで思考を図解するといった少し複雑なメモでも、手書きなら頭に浮かんだ内容をただちに書き表せる。
今回はビジネスパーソンの思考を加速させる、少し変わった技ありノートを紹介しよう。
大量に書き出すスタイルに向くじゃばら式ノート
編集やコピーライティングを仕事にするA氏は、商品やサービスのコンセプトを考えるとき、必ず紙とペンを使う。「フォーマットの決まっているものはデジタルでいいが、ゼロから考えるときはアナログの方が効率的だ」と言う。
A氏は1つのテーマについて思い付いた内容を次々と書き出してアイデアを広げていく。企画のコンセプトを考えるときには「ターゲット(顧客)」「課題」「解決方法」といった必要な要素を書き、各項目に当てはまりそうなものを思い付くだけ箇条書きする。ターゲット像を描くときも同様だ。「ターゲットの困りごと」や「そのときの気持ち」を想像し、ひたすらノートに書き出す。
ある程度のボリュームが出たら、不要な要素と検討する要素に振り分けていく。不要な要素は二重線で消し、検討する要素には印を付ける。取捨選択したら、検討する要素についてさらに詳細を詰めていく。
こうしたアイデアの検討で重要なのが、書き留めた項目を俯瞰(ふかん)することだ。スクロールしないと全体を見られないデジタルツールや小さな紙のメモ帳だと、どうしても思考を妨げる。とはいえ、大きなノートやコピー用紙は持ち歩きにかさばる。そこで活躍するのが、ページを広げられる「じゃばら式」ノートだ。
山櫻の「アコーディオンノート」は、横長の1枚の紙を48ページ分に折りたたんでノートの形にしている。スペースが足りないと感じたら、ページを広げて紙幅を延長できるのが特徴だ。
これまでに書き込んだページが全て1枚の紙につながっているので、広げて眺めると思考の変遷が見えてくる。前回どこまで考えたかを思い出しやすいという利点もある。