新型コロナウイルスの感染拡大を受けて外出自粛が要請され、ネット越しの交流が盛んになった。特にSNS(交流サイト)は、多くの人と近況を報告したり、通話やメッセージで連絡したりするよりどころとなって人々の心の支えとなった。この時期、SNS各社は「おうち時間」を楽しく過ごしてもらおうと、自宅で楽しめる新機能やキャンペーンを提供した。
LINEが2020年5月4日に追加した、グループ通話でYouTubeを見る機能もその1つだ。同じ動画を友人と一緒に見ながら感想を述べ合う機能は、リリースされると同時に人気となった。リビングでテレビを見ながら家族で盛り上がるように、LINEで友人と動画の感想を語り合える。
若い世代は、LINEの通話やビデオ通話をつなげたままでいることが珍しくない。通話状態で机の上に置き、おしゃべりをしながら一緒に勉強したり、お菓子を食べたりしている。話したいときには話しかけ、用事があるときにはスマホをそのままにして他の部屋に行くといった使い方だ。
また、YouTubeを見ながらTwitterで感想を交わすといった「ながら見」も日常だ。そんな彼ら・彼女らのニーズに、友人と一緒にYouTubeを視聴できるこの機能はピッタリとはまった。
LINEは国内の月間アクティブユーザー数が8400万人以上(2020年3月末時点)と広く普及しており、家族や親戚との連絡ツールとしても使われている。外出自粛期間中は「オンライン帰省」や「オンライン母の日」を呼びかけるキャンペーンを展開するなど、ビデオ通話による交流も促した。LINEはアカウントを持つ人が多いので、オンライン交流のハードルが低かったのだろう。
Instagramのライブ配信で交流
写真共有SNSのInstagramも、友人とビデオチャットしながら投稿を見ることができる機能を2020年3月25日にリリースした。対象は自分がいいねをした投稿など、Instagram内のコンテンツに限られるが、Instagramがメーンになりつつある10代にはうれしい機能だ。
加えてInstagramは、ショートムービーや静止画などを作成して投稿できる「ストーリーズ」で使える「おうち時間」スタンプや、医師や看護師など医療従事者への感謝の気持ちを示す「みんなの健康を守ってくれてありがとう」スタンプをリリースした。Instagramは、人気スポットに出かけたとき写真や動画を投稿する際によく使われるSNSだが、このスタンプによって家で過ごす様子も投稿されるようになった。