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 準優秀賞となったのは、チーム「Repainters(リペインターズ)」によるアプリ「GLABEL(Global Food Labeling、グラベル)」である。動物性の食品を摂取しない外国人旅行者や在留外国人の食事をサポートするアプリで、ベジタリアンや、肉・魚・卵・乳製品などを食さない「ビーガン」などに対応する。「食の多様性」に対応したアプリである。

 さらに、ピッチイベントへの協賛企業による「企業賞」は、4チームが受賞した。受賞者が開発したのは、パラアスリートに寄付するアプリや性的指向と性自認の多様性を可視化するSNS(交流サイト)、教育情報格差を是正するアプリ、レシートをデジタル化して共有するアプリである。

不足するIT人材を確保

 ワッフルの斎藤明日美Co-founder(共同創業者)は、ピッチイベントの閉会式でこう発言した。「日本では『理系は男性』という性にまつわる固定観念がある。女性の可能性が育つように、こうした考えを打破していきたい」。

「Waffle(ワッフル)」が開催したピッチイベントの閉会式の模様
「Waffle(ワッフル)」が開催したピッチイベントの閉会式の模様
(出所:ワッフル)
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 筆者もかつて大学選びの際に「女性は文系」と考えて文系学部に進学したが、IT企業に将来性を感じて就職し、システムエンジニア(SE)になった。当時、女性のSEは全社の1割に満たなかったと記憶している。

 SEの仕事では大学時代に学んだことがない知識が必要となって苦労したが、性の区別なく能力を生かしやすい職に就いたことは自信につながった。

 「2025年の崖」で知られる経済産業省のリポートでは、IT人材の大量な不足が指摘された。ジェンダーギャップにより女性の才能が埋もれてしまわないように、社会全体の意識を変える必要がある。テクノベーション・ガールズは、その有力なきっかけになりそうだ。

鈴木 朋子(すずき ともこ)
ITライター・スマホ安全アドバイザー
ITライター・スマホ安全アドバイザー。ソフトウエア開発会社のSEを経てフリーランスに。SNSやアプリなどスマートフォンを主軸にしたサービスを行っており、書籍や雑誌、Webに多くの記事を執筆。スマホネイティブと呼ばれる10代のIT文化に詳しい。All About(オールアバウト)iPhone・SNSガイドも務める。著作は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など20冊以上。