映像を投影する「プロジェクター」と言えば、会議室で使う箱形のタイプからホールや映画館に設置する巨大なタイプまで据え置き型を思い浮かべる人が多いだろう。ところが最近は、手のひらサイズで軽い「モバイルプロジェクター」も増えている。
モバイルプロジェクターはその名の通り、持ち運びのしやすさが売り。バッテリー内蔵タイプなら、モバイルノートPCと組み合わせて電源を確保できないところでも映像が見られる。普段は自宅で使い、日中は仕事に持ち出す、といった使い方も簡単だ。
今回紹介するアンカー・ジャパン(Anker)の「Nebula Capsule」も、そうしたモバイルプロジェクターの一つ。同社が「350ml缶サイズ」をうたう小型ボディながら、スピーカーとDLP方式のプロジェクター機構を内蔵しており、バッテリーで4時間動作する。Android 7.1を搭載しているので、HDMIでPCを含む外部機器と接続するだけでなく単体でも使える。映像を出力せずにBluetoothスピーカーとしても使用可能だ。
こうした変わった映像デバイスに目がない筆者は、少し迷ったがAmazon.co.jpで「ポチ」っと購入してしまった。Nebula Capsuleについて「自腹目線」で使い勝手や実力を紹介していこう。
確かに缶ジュースサイズ、気軽にカバンに放り込める
自宅に到着したNebula Capsuleの外箱を開けると、コンパクトなプロジェクター本体とともにリモコン、電源用のケーブルとACアダプタが入っていた。本体は直径68mmで高さが128mmの円筒形。確かに缶ジュースによく似たサイズである。
ヘアライン加工が施されたアルミの外装部分は、しっとりとした手触りで高級感があり、安っぽさはみじんもない。重さは470g。350mlサイズの缶ジュースよりも少し重い。500mlのペットボトルと同じような感覚だ。
天板には電源ボタンや音量調整ボタン、機能の切り替えボタンがある。側面には、投影した映像の焦点を合わせるダイヤルなどを備えている。本体はバッテリーを内蔵している。プロジェクターとして使うときは4時間、映像を投影せず単なるBluetooth対応スピーカーとして使うときは30時間動作するという。
初期設定はとても簡単だ。電源を入れたら手順に従って付属のリモコンを使い、無線LANの接続などをすればよい。リモコンで文字を入力するのはかなり面倒に感じたが、いったん設定してしまえば終わり。スマートフォンと連携させると、スマホから文字を入力したり操作したりできるようになる(詳細は後述)。
初期設定が終わると、プロジェクターはホーム画面を投影する。Androidを採用した一般的なスマホやタブレットではGoogleアカウントを登録して使うが、Nebula Capsuleは不要。ホーム画面も一般的なAndroidではなく、「Android TV」と画面構成が似ている「Aptoide TV」というシェルを通じて、アプリをインストールしたり、利用したりする。