新型コロナ禍によって、企業の新卒採用や学生の就職活動が大きく変わった。経団連がまとめた「2021年度入社対象 新卒採用活動に関するアンケート結果」によると、約9割の企業が「Webによる企業説明会など」を実施したという。また、約4割の企業が「企業紹介映像の作成・公開」をするなど、採用が対面型から非対面型にシフトしたとする。学生側からは「オンライン就活」と呼ばれる。
この調査結果によると、9割を超える企業が「Zoom」などを使うWeb面接を実施した。さらに6割強の企業は、全ての選考をWeb面接で行い内定を出した。
採用側の企業は直接対面しないと学生の資質や適性が分からない、学生はオンラインでは企業の雰囲気をつかめないなどと、筆者はオンライン就活にやや否定的な印象を持っていた。
しかしWeb面接のメリットは大きいようだ。経団連の調査結果では「遠方でハンディのある学生に対して有効である(96.4%)」「交通費の支給などコストが減少する(81.4%)」「スケジュールの調整がしやすい(74.0%)」の回答が多く挙げられた。
学生側もオンライン就活のメリットを感じている。エン・ジャパンの「22卒学生600名に聞くオンライン就活意識調査」によると、オンライン就活に「メリットを感じる」と「どちらかというとメリットを感じる」の合計が全体の7割に上った。
その理由は「地方に住んでいるため、オンラインのほうが、交通費もかからず参加しやすい」「移動時間がなくなることでより多くのイベントに参加するなど有効な時間の活用ができる上、気軽に参加できる」などだ。
一方、同調査で「オンライン参加に抵抗を感じる就活イベント」が何かを学生に尋ねたところ、「最終面接」が約7割で突出して多かった。せめて最後くらいは直接熱意を伝えたいのだろう。