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 これらの通話は互いに時間があるときに行うことが多いが、始まりはチャットで「今から話さない?」「30分後にしようか!」などと約束をする。チャットを送る前に相手の行動をSNSで確認してから、ビデオ通話に誘う。

 ビデオ通話に慣れている点は、30代以上の世代と異なる経験だろう。自由時間が多い若者ならではとも言えるが、音声で会話をする意義を知らないわけではないのだ。

LINEのビデオ通話画面の例。仲間うちなら、つなぎっぱなしにすることもある
LINEのビデオ通話画面の例。仲間うちなら、つなぎっぱなしにすることもある
(出所:LINE)
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職場の電話に適確に対応する

 20代は仲間うちであれば通話をいとわない。ただしSNSの通話機能を主に使ってきたため、電話でコミュニケーションした経験は上の世代と比べて乏しい。

 しかしこのままでは問題が生じる職場もあるだろう。若者が電話を取りたがらない理由として、知らない人と話すことへの不安があると聞く。どんな相手が何を話すのか想像できないからだという。

 電話を取りたがらない若手社員には、社外からの電話と内線に分けて電話対応の一連の手順を記したメモを机上に置くよう助言するとよい。何度も電話を取っていくうちに、相手先に応じた対応にも慣れるだろう。

 近年はコミュニケーション手段が多様化しているが、職場の電話もビジネスの重要なツールだ。10代からSNSに慣れ親しんだ若者のコミュニケーション経験の特徴も踏まえながら、「電話に的確に対応することも、仕事の経験値を高めることにつながる」と動機付けしてみてはいかがだろうか。

鈴木 朋子(すずき ともこ)
ITライター・スマホ安全アドバイザー
ITライター・スマホ安全アドバイザー。ソフトウエア開発会社のSEを経てフリーランスに。SNSやアプリなどスマートフォンを主軸にしたサービスを行っており、書籍や雑誌、Webに多くの記事を執筆。スマホネイティブと呼ばれる10代のIT文化に詳しい。All About(オールアバウト)iPhone・SNSガイドも務める。著作は『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)、『今すぐ使えるかんたん文庫 LINE & Facebook & Twitter 基本&活用ワザ』(技術評論社)など20冊以上